展覧会レビュー、40mもある『生生流転生』をフルで鑑賞!生誕150年 横山大観展@東京国立近代美術館

展覧会:生誕150年 横山大観展
鑑賞日:2018年4月 
美術館:東京国立近代美術館

・明治~大正~昭和の画家だからか、日本画でも絵の質感が新しい。画材が近代化していて、発色などが良くなっている。
 線が細やかで、色合いがクリア
・多彩な画風をこなしているが、古典的な題材をテーマにした作品にはスキがなく、技術的な裏打ちがシッカリしている。
 伊勢物語を題材にした「井筒」などに、そう感じた
・目玉の一つである「生々流転」は、40mもある画巻。初めて実物を天から落ちる雫から、最後の龍の飛翔まで見ることができた。
 とりあえず・・長い!、技法やテーマについて、いろいろと見どころある作品だと思うが、せっかちな小坊主には長すぎて途中でシンドクなってきた。
 朦朧体が好き!という方には、作品世界に浸りきれる滅多にない機会
・皇室との関係が深く、作品を献上していることなど自分の知識不足を再確認。戦時中の報国の思想など横山大観に対する、新しい視点が得られたと思う。
・展示期間が、4/17~5/27と1ヶ月程度の間に結構な数の展示替えがあるため、見たい作品がある場合、事前に美術館サイトの出展目録から展示時期の確認が必要。
 小坊主も「野の花」や「紅葉」という作品を見たかったが、展示期間が合わず見られなかった。

〇今回の一品(お気に入り)『迷児』(まよいご)
 日本画でキリストや仏陀・孔子等を描き、混沌としていた思想界の世相を描いたもの。
 一瞬、何を描いているのか?と何度か見直すほど、インパクトを感じた。
 炭絵ということで、燃やして炭にした檜だけで描いていることにも驚き。
 一つの画材だけで、描き分ける大観の技術の高さと、題材に挑戦するチャレンジャー精神を感じた。


〇展覧会チラシ