小坊主は、富士山は一度だけ登ったことがあります。
その時は、須走口からの登山で前日に車中泊し、日帰りで登頂するという強行軍だったこともあり、山頂付近で高山病になり、とても辛い思いをしました。
もう、6~7年前のことです。
そんな富士山に、もう一度、登る時が来るとは思ってもみませんでしたが、パートナーの要望(初めての富士山への挑戦)もあり、再チャレンジすることとなりました。
今回は、以前のような無茶をするわけにもいかず、山小屋の手配なども面倒なので、登山ツアー(サンシャインツアー)を利用してみることにしました。
バスでの往復とガイド付、山小屋でのご飯・休憩、登山後の昼食と温泉がついて、1人1万数千円~という内容に惹かれて、楽ちん登山を目指しました。
今回は、富士山登山ではメジャーなコース、吉田口からのチャレンジです。
登山口の吉田口に来るのも初めてですが、須走口と違って施設が大変に充実しています!
飲食店やお土産屋もあるし、ロッカーも完備・・・5合目までのバスで来れる観光コースということもあるのでしょうが、ルートによってここまで違うのかと驚きです。
ついでに、中国人観光客の多さにも驚きです(笑
バスツアーで中国系の方がドンドンやって来るらしく、あちこちから中国語が聞こえてきます。
たまに登山客が出発の掛け声を掛けているときに、小さく日本語が聞こえてくる程度で、密度が違いました。
登るわけでもないのに、近くまで来るだけでも、観光地として人気があるようですね。
下から見た富士山なんて、写真と違って赤黒い緑のない山なので面白くないと思うんですが、雲海を見られるのが良いのかもしれません。
ここからは、吉田口ルートでの登山開始です。
5合目あたりは、周辺に緑が残っていますが、地面は火山らしく黒く柔らかい土です。
岩などがあるわけではないので歩きやすいし、ガイドは本当にゆっくりした歩調で先導してくれるので、助かりました。
富士山ほどの高度のある山では、深呼吸が高山病の予防に効果的ということで、事あるごとに「深呼吸!」という掛け声がかかります。
呼吸が荒くならないスピードで、深呼吸しつつゆっくり登ることが大事なんですね・・・以前は、それを知らず日帰りだし、ハァハァ言いながら、結構なハイスピードで登っていました。
8合目あたりでは酸素が足りず、空気を吸っても吸っても楽にならずに大変な思いをしましたが、登り方が悪く高山病にならない方がおかしかったのだなと、よく分かりました。
何事も事前の準備と学習が大事です(笑
7合目あたりの山小屋で夜ご飯と仮眠を取りました。
夜ご飯は、普通にカレーです。ご飯の内容がどうとか、ぜいたくは言いません。普通に美味かったです。
食べすぎも良くないということなので、少しだけお代わりをして、すぐに仮眠です。
人員を大量輸送、大量案内のためか、山小屋も効率的にできていて、ご飯を食べた部屋の隅に2段の仮眠スペースがあり、どんどん場所を割り当てられていきます。
ほとんど収容所みたいな感じですが、年に何万人もの登山客を回していくためには、もてなしとかそんな事は言ってられないのでしょうね。
また、今回は朝の出発を遅くしたため、午後に登山開始となり、21時ごろに山小屋に到着し、ご来光のため23時には山頂へ向けて出発するというスケジュールになっていました。
朝に出発するコースにしておけば、夜はもうちょっと余裕をもって、休憩ができたのだと思いますが、仮眠2時間ではまともに寝られず、ほぼ徹夜で登山することになってしまいました。
以前のように、ノンストップで登るよりマシですが(笑
8合目~山頂までは、大渋滞です!
三連休で台風の接近が心配されており、次の日のツアーはすべてキャンセルになっていました。
自分たちも風の状況によっては、登山中止も考えられましたが、予定通りアタック!することになったのですが、他の登山客も今日しかない!ということで、あとからあとからドンドンと登ってきます。
前の方も詰まっているので、牛歩のごとく遅い登りになりました。遅いのは良いのですが、真夜中の登山で台風のせいで風もでており、体感温度が氷点下なみに感じられるのが、とても辛かったです。
外気温はそこまで低くないですが、風速1mにつき体感温度が1℃さがるということで、フリースを着ていても寒かった・・・
しかし、前回の富士登山の時にも思ったのは、登山する外国人はなぜ、あの寒さでも短パンなのか、どうしても分かりません。
日本人にも作務衣に草履という、本気なのか甘く見ていたのかよく分からない人がいましたが、あの寒さには耐えられないと思います。
以前の登山では、日中は大丈夫だろう!と高をくくってフリースを用意しておらず、酷い目にあった小坊主は今回はちゃんと学習しておりますよ(笑
富士山 火口 |
というわけで、3~4時ごろに無事に山頂へ到達しました。
山頂では温まろうと思って、ラーメンを食べましたが・・・不味かった(笑
いままで、どんな山でも山頂で食べるものは、どれも美味しかったのですが、富士山のラーメンは美味くない・・・普通にカップラーメンを頼めばよかった。
そんな中途半端な気持ちをご来光で慰め、雲海の風景を楽しみつつ、下山に入ります。
下山は火山灰質の地面に膝を壊されそうになりながら、なんとか5合目まで帰還。
相変わらず富士山は、手ごわい山です(笑
パートナー曰く、富士登山は修業だ!ということですが、緑もないし地面は歩きにくいし山頂は寒いと、辛いことの多い富士登山ですが、達成感はとても大きなものがあります。
「六根清浄」と唱えながら富士山を登る方々のように、小坊主の六根はまったく清められませんでしたが、やり遂げた後の温泉は格別です。
ただ、次の機会はもうなくて良いかなと思っています(笑