下町は浅草に天国ホットケーキがあるとのこと『珈琲 天国』@浅草

 浅草に「天国」なるホットケーキがマイウーな店があるってことで、行ってまいりました。
 自宅から近いってこともあり、自転車でチャリんチャリんと到着。


 店の外観は、思ってたより小ぢんまりしてました。
外観
 店の外観は、煉瓦模様で浅草の街並みにマッチしております。
 個人的には、「天国」!という名前からもっと渋い純喫茶をイメージしていたので、さほど古くなさそうな感じでちょっと残念。
 店内も机が3~4席程度の小さな店です。
 並ぶこともあるらしいのですが、今回はスムーズに入店することが出来ました。
 オリジナルの天国グッズが売られたりしてて、小物の雰囲気が好きな人には良いのかもしれません。
ホットケーキ
 というわけで、早速、ホットケーキセット(900円)を注文!!
 この店は、ホットケーキ単品での注文は出来ないようです。
 郷に入っては郷に従え・・・ホットケーキには珈琲だろう!というわけで、必然的にセット注文になりました。

 で、肝心のホットケーキですが、これまで小坊主が食べてきた厚め!デカめ!なものと違い、小ぶりなものでした。
 色合いといい、天国の焼印といい、オサレで可愛い!と、女子の皆様にはバカ受け間違いなし・・・そんな感じです。
 大きさ的にも、そんなに大きなモノはいらなくて、軽く食べたいというニーズにはピッタリなサイズ。
 こういうところも、女性向け、もしくは、場所柄か高齢の方へのニーズに合わせたのかもしれません。
 味は、中がフンワリで甘さも強くなく、シットリしたとても優しい味です。
 バターをつければ塩味が効いて、甘さが引き立ち、シロップをかければ素朴な懐かしい味になります。

 これまで、がっつりホットケーキを食べてきた小坊主には、味わいが繊細すぎて、この量では味を満喫できん!というのが、正直なところです。
 なかなか大味なものばかり食べていると、たまに細やかな味に出会っても反応できなくなるのですね(笑

 浅草でホットケーキというと、「ミモザ」の五段ホットケーキが印象に残っているのですが、ミモザではその量の多さにノックアウトされ、しばらくはホットケーキはもう要らない!って思ったものです。
 量が多くてもダメ、小さすぎてもダメ・・・
 たかがホットケーキなれど、心躍るホットケーキを求めてやまぬ欲望・・・
 なかなかスイーツの世界も、バラエティに富んでいて、新たな出会いを期待して彷徨ってしまいます。
 まだまだ、ホットケーキ行脚は続きます。


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珈琲 「天国」@浅草
東京都台東区浅草1-41-9
03-5828-0591
営業時間 12:00~18:30
定休日 火曜日



都内ランキング、TOP3と名高い『シェイクツリー』で肉汁たっぷりのハンバーガー@錦糸町

 食べログの「東京 ハンバーガーTOP100」を見て、ハンバーガー巡りをしています。
 今回は自宅近くに、TOP3に入るハンバーガー店があるので、これは行かねばなるまい!ということで、「シェイクツリー」へ行ってきました。


 店は、錦糸町駅から徒歩10分くらいと、そんなに駅から近いわけでもなく、なかなか知らないと行かないところにあると感じました。
 交差点の角にあるので、知ってればすぐに分かるんですが。
 お店は、外観も中もなかなかオサレです。
 ハンバーガー&バーということで、酒も楽しめるようです。
 店内には、テーブル席以外にもカウンターバーのエリアもあったので、軽く飲みながらハンバーガーというのも、楽しそうです!
 ただ、ハンバーガーがウリなので、濃い味のハンバーガーに甘ったるいカクテルは飲めないので、ビールかジンとかが良いかもしれませんね。
 今回は、ランチで訪問したので、次回は夜に酒と一緒に味わいに行きたいと思います。
外観
ベーコンチーズバーガー
 で、今回、小坊主が頼んだのは、「ベーコンチーズバーガー」!
 頼んだ瞬間、お店のオネイサンに、良い選択です!と言われて、ウヒョ!って小坊主のテンションが上がったのは、秘密です(笑
 ここも、他のハンバーガー店と同じくバーガーを紙袋に包んで、かぶり付くタイプでした。
 本当はアボガドバーガーもウリのようなのですが、今回はそちらはパスして、ハンバーガーなんだから肉!的なものを味わうべきだ!!と天啓を受けたので、仕方ないのです。
 まずはビーフの味が、肉肉しくてとても味わいがあります。
 ハンバーガーと言えば、肉が美味くなくては話になりません。
 このシッカリした味わいの肉を口にすると、マクドのペラペラな肉は、ないも同然。
 あれ?どこかにお肉があったかしら?と疑問に思うほどです(効果には、人によって個人差があるので、個人の感想とご理解ください(笑。マクドファンに怒られそう)
 また、ベーコンの香ばしさ・・・これもスパイスの味が良いアクセントになっています。
 チーズといい、バンズのフカフカさといい、家の近くにこんなグルメバーガーが味わえるところがあったとは!と、感涙です。
 お近くに来られた際は、ぜひ、ご案内したい(笑


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シェイクツリー
東京 ハンバーガーTPO100 NO.3
東京都墨田区亀沢3-13-6
★★★★☆
定休日:火曜




世界報道写真展2013@東京都写真美術館 展覧会レビュー


毎年、見に行っている「世界報道写真展2013」へ行ってきました。(6月8日~8月4日)

混み具合   辛 い/1・2・③・4・5/快適
作品の数   少ない/1・2・3・④・5/多い
面 白 さ つまらない/1・2・3・4・⑤/面白い

その年代毎に、世界でいろいろな出来事が起こっているのを改めて確認することが出来るので、いつも楽しみにしています。
中には、衝撃を受ける重い写真もありますが、そこも魅力の一つだと思っています。
展示されていた写真や展示されていなかった写真も、ここ(Word Press Photo)で見ることが出来るので、見逃した方やもう一度見たい方は、見てみてください。
また、この写真をどんな人が撮影したのか?も、このサイトで確かめることが出来るので、同じ写真もまた違った見方が出来るようになるかもしれません。
PCの画面で見るのと、大判で実際に自分の目で見るのとでは、受ける印象も影響も全然違うので、基本的には実際に美術館で見て欲しいです。

自分が印象的だった写真は、こちらです。
GAZA BURIAL
イスラエルからのガザ地区への空爆で、3人の子供がなくなった際の葬式?の写真だそうです。
展示会場の一番、最初に展示されている大判の写真です。
とても緻密で大きな写真だったので、最初、まるで絵画のように見えました。
こういう場面をどうやって正面から、捉えたんだろうかといろいろ想像しましたが、空爆の現状を知らせるためあえて撮影させたものかもしれませんね。
画面の中の人たちの想いが、率直に出てて正面からぶつかってくる感じです。

AT THE DANDORA DUMP 
ケニア、ナイロビにあるアフリカ最大のゴミの集積地ということで、ここではゴミを漁って生活せざるを得ない人が集まってきて、健康被害のリスクを抱えながら生活しています。
写真の女性は、ゴミを漁る生活をしながら、唯一の楽しみはゴミの中から見つけた本を読むことだそうです。
本を読む楽しげな顔と、背景や衣装の対比に眼が離せなくなりました。
ゴミを漁る生活をせざる得ない環境と、読書する楽しみ・・・生きること・生活について考えさせられます。

JOY AT THE END OF THE RUN
スマトラでの牛祭り?の写真です。
二頭の牛のシッポを素手でつかんで、裸足で泥場の中を牛を走らせて、距離を競うとか。
力強さに満ちたエネルギッシュな写真です。

PEOPLE OF MERCY 
セリフが印象的でした。
「2年前に右目の視力を失い。左目も半分ほど見えない。自分は前向きな人間だが、失明して仕事が出来るか・・・生きるために闘っている」

MIGRANT SEX WORKERS
海を越えて、ナイジェリアからイタリアで売春婦として生活する女性が大勢いるとのこと。
イタリアというと、ローマ・フィレンツェを始めとした世界中から観光客が集まる文化と歴史に満ちた国という印象がありますが、一つ脇へ目線を変えると劣悪な環境で性産業に従事するしかない女性の現実が同居していることに驚きます。

これ以外の写真にも、心を動かされるモノがたくさんあるのですが、まだ、見ていない方はぜひ自分の目で展示を確かめて欲しいです。
写真は、その場の一場面を切り取ったもので、もっと全体を見渡せる肉眼で見た場合では、実際の印象は全く違うはずですが、撮影者の伝えたかったモノが何だったのか。
何を伝えようとしているのか?それを解釈するのは、見る人それぞれで色々な想いを抱くと思います。
人は同じモノを見ても、同じように解釈することもないし、似た感想を抱いても、そこへ至る経路や自分への取り込み方は、全く違います。
絵画と違って、印象がダイレクトに伝わってくる分、写真は見る側に、強い心の動きを与えてくれます。
その分、見た人それぞれで写真の感想から、抱いた想いなど、いろいろ話す機会になると良いですね。

世界報道写真展2012は、当然でしょうが東日本大震災に関するものが多く展示されていました。
エジプトのムバラク政権崩壊に関するものや、リビア内戦も大きな出来事でしたね。
こうみると、最近は本当にあっという間に1年が過ぎていきますが、毎年毎年、必ず大きな出来事があって、世界に変化が起きていること。
今までも、これからも目にする機会のない”世界”を見られるのは、貴重な機会だなと感じます。
ホンの1年の間に、どれだけの変化があり、また、その変化が自分から抜け落ちていっているか・・・ある意味、大きなショックを受けています。

BATLLE FOR LIBYA
カダフィ大佐の亡骸をそのまま、見ることになったのは驚きでした。

TOKU KONNO
東日本大震災を生き延びた女性の写真は、眼差しといいの深みといい返しようのない言葉に満ちていました。

INFINITY CAVE
中には、洞くつ探検といったネイチャー系のものもあり、本当にプロの写真家はどこにでも行くんだなと、バイタリティに驚きます。

かぶりつく照り焼きバーガー・・レッグオンダイナーにて旨みたっぷりなハンガーバーを食す@恵比寿

 東京 ハンバーガーTOP100というHPを見て、タイミングよく恵比寿にいく機会があったので、恵比寿から行けるハンバーガー屋へ行ってみた。
 それが、こちらの「レッグオンダイナー」


テリヤキバーガー
 店は恵比寿と渋谷の中間あたりですかね。
 自分は恵比寿側から行ったので、國學院大學の前を通って行きましたが、恵比寿からは徒歩15分くらいかな。
 渋谷側から行った方が、近そうですね。
 店自体は、正直、狭かったです。
 並ぶこともあるようなので、今回はスムーズに座れて、助かりました。
 で、早速のハンバーガーですが・・・
 なかなかビッグ!!
 以前に本郷のファイヤーハウスに行ったことがあるのですが、ファイヤーハウスのバーガーと比べて、バンズがサクッとしてる印象があります。
 食べ方もペーパーに包んで齧り付くので、その時にバンズの歯触りがダイレクトに感じられるのは、ポイント高いですね。
 ファイヤーハウスでは、ナイフとフォークで切って食べていたので、ハンバーガー食ってる!感は乏しかったのです。
 自分は照り焼きが好きなので、今回も照り焼きにしましたが、店としてはアボガドバーガーも有名らしい。
 機会あれば、アボガドバーガーにも挑戦してみます。
 照り焼きは、タレがしっかり肉と絡んで、肉も旨みがタップリあります。
 シャキッとしたレタスも美味しく、一気に食べてしまいました。
 なんか食べた!という満腹感は、ファイヤーハウスの方があったのですが、肉の美味さはこちらの方がもっと印象に残ってます。
 駅から遠いのが難点ですが、恵比寿に行くこともちょいちょいあるので、是非、また行きたいと思う店でした。

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レッグオンダイナー
JR恵比寿駅、JR渋谷駅から徒歩15分ほど
東京都渋谷区東1-8-1
03-3498-5488
ハンバーガー★★★★☆




皿 化粧土へデザインしてみた



陶芸では、今、小皿を3枚製作中です。
三枚とも、絵付けのできる赤津貫入土で当初は普通に絵付けをするつもりだったんですが、今回は1枚は方法を変えてみることにしました。
今回、使ってみたのは化粧土です。
だいたいは、白土や赤土で形を作って高台等をつくる削りまでを行ってから、刷毛などで白い土を掛ける方法です。
この方法だと、絵付けは出来ないのですが、化粧土を針金等で削ることで模様を描くことが出来ます。
赤土の場合、この削ったところから赤土の赤が映えたり、反対に赤土に白い化粧土のデザインを施すことが出来ます。↓がサンプルです。

今回は元々が白い赤津貫入で、釉掛けをしても透明釉を掛けるため白い化粧土では、色が全く映えません。
そこで、青い化粧土を使いました。
なので、完成品は上の写真の削ってある個所に、青い下地に白い線でデザインが色分けされる形になります。
まだ、素焼きもしていないので、完成品は今と全く違った色合いになるはずなので、楽しみです。
線の太い細いが、青化粧にどれだけ変化を与えてくれるか分からないですが、本焼きをするまで、作品の雰囲気が分からないというところや予想外の変化が起こることもあるのが、陶芸の面白味の一つですね!

自分が通っている陶芸教室は、こちら。
本八幡fuga
千葉県市川市南八幡3-3-6
チケット制で、好きな時に自由に通うことが出来るのが魅力です。
月1回の教室のように、しっかり陶芸!をベンキョーするという感じではないですが、雰囲気が気楽で通いやすいです。

西洋絵画史&日本絵画史 比較表を作ってみた

 いくつか探したのですが、西洋絵画史と日本絵画史を比べて見られるモノがなかったので、自分で作ってみました。

 今まで展覧会に行って、絵画の解説に時代的な背景や絵画の区分が書かれていることがあり、区分の名前等は知っていても、その内容や年代がどの辺りとかよく分かってなかったんですね。
 また、絵画の表現が変わっていく背景には、それぞれの時代の動きや歴史上のイベントが関係していることも多いので、そういった歴史を考えながら絵画を見ることが出来れば、もっと妄想・・・もとい絵画への理解が深まるんじゃないかなと思ってました。
 なので、西洋美術史・日本美術史の本を買ったり、西洋史の本を読んだりしたのですが、脳みそが鳥頭なので30秒で記憶が飛んでしまうので、展覧会に行くたびにバロックって何時頃だっけ?と、最初からやり直しになってました(笑
 かといって、西洋美術史の本を展覧会の度に持っていくのも重いし・・・しかたないので、本の年表をパクッて合体させてみました。
 歴史上のイベントや日本画史・画家の内容などは、まだまだ修正が必要だけど、まずは全体の位置関係を把握するのには、使えるかな。
 今後は、これを持って展覧会に行きます!
 西洋絵画史は、キリスト教徒の関係も深いので、キリスト教絵画史の方も作ってみたので、こちらも使っていきたいですね。
修正したり追加したほうが良いネタがあれば、教えてください。
 少しづつでも、良いものにしていければと思ってます。

〇追記(画像だとわかりにくいので、埋込タイプも作ってみました)





ラファエロ展@国立西洋美術館 予習②

前回に続いて、ラファエロ展の予習ということでラファエロの絵画についてアンチョコをパクッ・・・もとい、予習した記録を付けたいと思います。

ラファエロで有名な絵画といえば、こちら。
ヴァチカン宮殿の「アテネの学堂」ですね。
「アテネの学堂」は、1509年-1510年に描かれたもので、27歳頃の作品です。
ローマに移住して2年で教皇から、教皇の公邸での仕事を任されるようになるんですから、いや~、名前も売れてたんでしょうねぇ。
ラファエロ以外にも当時、有名だった画家たちにも仕事を依頼し、その中からラファエロが選ばれたということで、よほどラファエロのプレゼンが教皇の心をゲッチューしたのだと思われます。
アテネの学堂
この絵が描かれているのは、ヴァチカン宮殿の「署名の間」ということで、教皇の公的な用事に使われる部屋なのですが、キリスト教の最高権威の部屋にギリシャ神話等の題材を持ってくるんですから、ルネサンス期の芸術活動は、宗教上の区分も乗り越えるだけのエネルギーがあったんでしょうね。
ルネサンスは、古典古代のギリシャ・ローマの復興運動ということですが、この「アテネの学堂」には、古代ギリシャの学問所に、「ソクラテス」「プラトン」「アリストテレス」等の当時の文人が集っている様子が描かれています。
とりあえず、画中に誰が描かれているかを番号付けしてみました。
①プラトン:モデルは、ダ・ヴィンチ
②アリストテレス
③ソクラテス
④ピタゴラス
⑤ヘラクレイトス:モデルは、ミケランジェロ
(前540~470頃の「泣く哲学者」とかで、陰気な人だったらしい。画中でもそんな感じですね)
⑥ディオゲネス
(前4世頃の哲学者で、モノを持つことを嫌って、樽の中に住んだとか・・・なので、裸なんですかね)
⑦ユークリッド:モデルは、ブラマンテ
⑧イル・ソドマ:同時代の画家
(ラファエロがこの部屋の装飾を手掛ける前に、この部屋の装飾の一部を手掛けていた画家ということで、画中に描いたもの)
⑨ラファエロ(さりげなく、自身も画中に登場させてギリシャ文化の継承者ということを表現したらしいですね・・・画中のモデルに同時代の著名な画家達も採用されていて、ギリシャ時代の人物と画家達とともに自分もそういった人物達と並ぶ存在ということをアピールしたんでしょうか。シレッとした自己主張、小坊主は好きですよ~)

画家達と画中の人物との一致具合はよく分かりませんが、画中の人物が誰なのか?は、相応の教養のある人間であれば分かるようになっているというところが、ラファエロの教養の深さを表わすものと言われています。

プラトンとアリストテレスも画中で本を持っていますが、その本はそれぞれの著書である「ティマイオス」と「倫理学」となっています。
また、プラトンは手を天に向け、アリストテレスは手を水平に突き出しています。
これも、プラトンの理想主義とアリストテレスの実践哲学を表現しているとか・・・いや~、アンチョコをパクらずにそんなこと分かるか!と、小坊主の浅学っぷりが晒されてしまうわけですが、当時の教養ある方々には「ニヤリ」としながら、画中の人物達について会話する良いネタになったのかもしれません。
聖体の論議
こちらは「聖体の論議」というもので、「アテネの学堂」と同じ署名の間に描かれています。
描かれた順番としては、こちらが一番最初に描かれました。
画面は雲によって上下に分かれていて、上部が「勝利の教会」(教会の勝利)と下部が聖体について論議する?「戦う教会」とされています。
中央では、神(父)・キリスト(子)・ハト(聖霊)・聖体という縦のラインが結ばれており、三位一体が表現されています。
天使が持っているのは、四福音書です。
下部に描かれている人物達には諸説あるようですが、フラ・アンジェリコ・ブラマンテ・聖アウグスティヌス・ダンテ等々の歴史上の人物を描いているとされています。
キリスト教の神学を象徴的に表現し、キリスト教にかかわる歴史上の人物達を動きを持たせながら描いていくことで、「教会の勝利」というテーマにまとめ上げていった大作です。
教皇の公邸に描くに相応しい題材で、また、キリスト教の神学と西洋哲学とを一つに融合させたラファエロの力量に感嘆します。
パルナッソス
こちらは、「署名の間」の北側に描かれている「パルナッソス」です。
「パルナッソス」というのは、ギリシャ神話でいうところの「パルナッソス山」にあたります。
パルナッソス山にアポロンを中心に、9人のムーサ(女神)たちと18人の詩人が集っている状態です。
カリオペ・エラトもムーサの1人ですが、ムーサは詩・歌・芸術にかんする女神達で、アポロンに付き従うものとなっています。
ムーサ達は本来は霊感を与える泉を支配するニンフだったようで、その泉の一つがパルナッソス山にあるカスタリアの泉で、そこがムーサ達の住処なのです。
ムーサ達には9人それぞれに、次の名前と役割が与えられています。
・クレイオ   ・・・歴史。
・エウテルペ ・・・音楽と抒情詩。
・タレイア   ・・・喜劇、田園詩。
・メルポメネ  ・・・悲劇。
・テルプシコレ・・・踊りと歌。
・エラト     ・・・抒情詩と恋愛詩。
・ウラニア   ・・・天文学。
・カリオペ   ・・・叙事詩。
・ポリュムニア ・・・英雄賛歌。

アポロンはオリュンポス12神の1人で、人間性の理性的で文明化された面を表わすものとされています。
音楽家としての面も持ち合わせており、このアポロンとムーサ達が一緒に描かれる題材は、昔から詩と音楽の寓意を表わすものとして描かれてきたものです。
ホメロスは、「イリアス」と「オデュッセイア」を書いたギリシャの盲目の詩人です。
イリアスは、ギリシャ神話を題材とした最古のギリシャ叙事詩。
オデュセイアは、ギリシャの英雄オデュッセウスの冒険を記した物語。
ここでは、アポロンとムーサ達と一緒に描かれることで、やはり詩と音楽の寓意を表わす形になっています。
ルネサンスの文学・芸術賛歌といえるもので、ルネサンスの古典古代の理想を表現しようという精神が表わされたものと言えます。
「アテネの学堂」や「聖体の論議」と比べると、ちょっと手を抜いた?な感じで、他の作品と比べると完成度が少し微妙かもしれませんが、傑作だと思います。
エゼキエルの幻視
この「エゼキエルの幻視」は、今回の展覧会でも展示されていますね。
エゼキエルは四大予言者(他の3人は、イザヤ・エレミヤ・ダニエル)で、前579年にバビロンに移住したユダヤ人です。
エゼキエルは、川のほとりで幻視を体験し預言者としての召命を受けたとされ、その川のほとりで体験した幻視を表現したものが、この「エゼキエルの幻視」という作品です。
エゼキエルは、ある日、激しい風と光り輝く雲の中から、4枚の翼をもった人間・ライオン・牡牛・鷲の顔をした生物と神が表れるという幻をみたとされています。4体の生物は「黙示の獣」として、「ヨハネ黙示録」にも登場しています。
中世では、四福音書記者の象徴とされていたようです。
幻視をえたエゼキエルは左下に小さく描かれていますが、メインは画中に大きく堂々と表現された幻視のイメージです。
幻視の内容がストレートに表現されていて、神の存在感が圧倒的です。
絵の大きさは、40cm×20cmと小さな作品ですが、その美しさは飛び抜けていると思います。
キリストの変容
この「キリストの変容」はラファエロ最後の作品で、この作品の製作中に亡くなってしまいました。
この絵も上下に分かれていて、上段はモーセ(石版)・エリヤ(預言書?)とともにキリストが描かれ、その下に驚いて地に倒れている使徒たちがいます。
これは聖書で山の上で預言者とともに語り合い、光り輝く姿を弟子達に見せたという場面があり、その姿を描いたものです。
下段は、悪魔に憑かれた少年を治癒する場面を描いたものですが、上段のキリストと弟子達の場面とは、直接の繋がりがあるものではないようです。
絵的には下段の赤い服の男性が上段のキリストを指さすことで、下段から上段への繋がりが見られます。
絵的には大胆な動きのある絵で、キリスト等が空中に浮かぶ姿には上昇するダイナミックさが感じられます。
悪魔に憑かれた少年の表情も、虚ろな感じがよく表現されていて、その他の人物達もずいぶん大きく動いているのに、安定感の崩れない素晴らしい絵です。
この安定感はキリストを頂点とした、八の字の構図から生まれるものでしょうが、それぞれの登場人物が互いに殺しあわず一体となっているところに、素直に感心します。

とりあえず、ラファエロ展の鑑賞までにラファエロについて、予習するぞ!と勢いつけてやってきたのですが・・・天才の作品を見ていくのも大変で、小坊主のエネルギーが尽きてしまいました(笑
正直、ラファエロ展に来ている絵をもっと見る必要があったんですが、それ以外の有名な絵の方を知らなかったこともあって、そちらを優先してしまいました。
こうやって見ていくと、ダ・ヴィンチやミケランジェロの影響を受けながら、どんどん絵の完成度と個性が創られていく様子が分かって、面白かったです。
本当に37歳という若さで亡くなってしまったのが残念ですが、それ以降の絵画でずっと絵画の規範として扱われたラファエロの影響力を垣間見ることが出来ました。
いや~、たまには苦行も我慢してやってみるものです。
正直、まだまだ分かってないことや知らないことも多いですが、好きなことなので地味に続けていきたいなと思っています。
次はラファエロ展の感想か、7月に鑑賞予定のレオナルド展@東京都美術館の予習でもしようかな。