展覧会レビュー 棟方志功展@東京国立近代美術館

2023年10月29日

<概要>
展 示:棟方志功展鑑賞日:2023年10月29日
場 所:東京国立近代美術館
参加者:8人
<評価>
混み具合  辛い/1・2・3・4・⑤/快適
作品の数 少ない/1・2・3・④・5/多い
面 白 さ   退屈/1・2・③・4・5/面白い

「世界のムナカタ」として名を知られる棟方志功の生誕120年を記念しての展覧会

<構成>
プロローグ 出発地・青森
第一章 東京の青森人
第二章 くらし・信仰・風土 富山・福光
第三章 東京/青森の国際人
第四章 生き続けるムナカタ・イメージ 

<感想>
ワタクシ、富山出身のため棟方志功には名前や作品に触れる機会もあったのですが、令和になってどれだけの人が棟方志功を知っているのだろうか?と思っていましたが・・やはり展覧会への来館者は少ない様子

仏画の版画家というイメージありますが、今回、初期の絵から、中期の仏画、後年のビエンナーレ出展作品まで眺めてみて、抽象性は共通しつつも仕事の幅は小説の挿絵から包装紙のデザインまで、なんでもやっていた人だったんですね
仏画のイメージが強すぎて、他の仕事の存在にまで目が回らないというのが残念なところです
民藝の世界とつながる骨太なデザイン、土臭さ、令和の時代にはなかなか目にすることのなくなった線の太さ。
千葉市美術館の新版画展で見た川瀬巴水の世界とは真逆な世界です
デジタル化され土臭さが消えていく世界で、ムナカタ・デザインが見直される日が来るのだろうかと思いつつ鑑賞しました
解説にムナカタ・デザインは、地方性と相性が良いと書かれていましたが、まさに土臭さがローカライズされたパワーにつながると感じた次第。アナログではなく泥っぽさが作品としての生々しさを強く感じさせられます
でも、この土臭さは消えていってしまうのだろうなと感じ入る展覧会でした。

<今回の一品(お気に入り)>
二菩薩釈迦十大弟子
黒と白のシンプルな線の強さ、人物の骨格、表情などよく練られた構成力を感じます


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