2016.2月 読書録 十三億分の一の男 中国皇帝を巡る人類最大の権力闘争、ほか

日本の商業デザイン




 図書館で手にして、とても面白かったので借りました。明治~昭和頃のポスターや看板、商品デザインの図録のようなものです。
 街やTVでみなれた絵柄とは一線を画したフォントに人物、色使い・・・すべてが新鮮です(笑
 古臭いという印象もあると思いますが、一周を回って斬新に感じるデザインもたくさんあります。
 それだけ、身の回りのデザインが同質化していて、デジタル・キレイ・整ったものに偏っているのかもしれません。
 アナログの破壊力は、あなどれません。
 特に何かに活かせるものじゃないですが、一見の価値はああります。
 普段、使っていない脳に刺激を与えてくれます! 


江戸町人の生活


 時代劇を撮影する際の時代考証を、まとめたものです。
 現代でイメージされている長屋の生活と、実際の長屋がどうだったか。
 武士の生活と町人の生活の紹介などが書かれていて、ちょっとした江戸雑学を知るのに良いテキストでした。


十三億分の一の男 中国皇帝を巡る人類最大の権力闘争



 習金平の権力掌握がどのように進んだか?を、関係者への地道な取材からまとめた良著でした。
 習金平の総書記への就任時に、胡錦濤からの政権移譲がスムーズにいくのか?、江沢民と同じように院政が敷かれるのではないか?と注目されていましたが、胡錦濤と江沢民との権力闘争の中で、長老の影響力が排除される動きがあり、その流れを習金平がうまく掴んだことが、なかなかダイナミックで面白かったです。
 正直、習金平が地方都市の書記へ就任してから、中央委員会の構成員になるまでどのように昇進していったのかが分からず、いきなり権力の中枢へ入り込んできたようなイメージが残りました。
 重慶の書記であった薄熙来の失脚事件が、ニュースになりましたが、その背景で軍部もまきこんだクーデター計画があったという記述には驚きました。
 習金平は中央集権を進め、軍部の改革にも手を進めているとニュースで見聞きしますが、必ずしも盤石な支配体制ができているとは言い切れず、背後でいろいろな権力闘争が続いていると想像できます。
 終わることのない権力闘争が続く中で、政治家が鍛えられるという面もあるのが、優秀な人材をつくりだす役割を果たしているのかもしれません。
 ただ、権力闘争の中でうまれる汚職も、日本とは規模が違うようで、そこもダイナミックです




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