Art倶楽部での定例鑑賞会『新印象派展@東京都美術館』の感想です。
スーラやシニャックといった新印象派について、1880年代の初期からフォービズムへ繋がる後期への流れについて、時代に沿って見ていくことのできる展示となっていました。
スーラ等は印象派の展覧会があった時には、展示の構成の一部で取り扱われることはあっても、ここまで集中して展示されることはなかったので、スーラやシニャックの好きな小坊主にとってはとても楽しめた展覧会となりました。
スーラやシニャックといえば、点描画。
ジョルジュ・スーラ グランド・ジャット島の日曜日の午後 |
こちらのスーラの有名な『グランド・ジャット島の日曜日の午後』は、展示されていたわけではなく下の習作との比較用です。
こうやって比べてみると、習作ではよく印象派の風景画の雰囲気ですが、完成版では点描の色合いの鮮やかさが際立って見えますね!
スーラ グランド・ジャット島の日曜日の午後(習作) |
ルイ・アイエ カフェにて |
今回の展覧会では、この夜の風景がとても気に入りました。
夜景の光の扱い方が、素晴らしいです。
マクシミリアン・リュス ルーブルとカルーゼル橋、夜の効果 |
アルベール・デュボワ 白いドレスの女性 |
マクシミリアン・リュス 工場の煙突 |
シニャック オンフルールの港口 |
抽象的で十分な情景を描くことができるのですね。
大きな色の配置での省略の技術には、素直に驚きました。
マティス 日傘の女性 |
スーラ等の作品も良かったですが、今回は他の新印象派の初めて目にする画家も多く、表現の多様さを感じることができました。
いろいろな画家が新しい技法だった筆触分割などに取り組み、表現を模索していたんですね。
あまり新印象派としての活動が長続きした画家は少ないようですが、表現の世界に一定の影響を与えたことがよく分かりました。
新しい表現に挑戦し模索することこそ、芸術活動の源泉なんでしょうね。
完成することのない表現の世界には終わりがないので、画家のパッションは大事です。
小坊主には、そこまでのパッションの持ち合わせがないので、これではイカンと思ってはいますが・・・