新しい歌舞伎座が開場されたということで、新歌舞伎座の見学もかねて、「一幕見席」での鑑賞に行ってきました。
今回の鑑賞する演目は、「梅雨小袖昔八丈」になります。梅雨小袖昔八丈の物語ですが、手元の「歌舞伎手帖」によると、「髪結新三=梅雨小袖昔八丈」となっていて、だいたい以下のようになっています。
<あらすじ>
材木屋白子屋の一人娘「お熊」と、手代の「忠七」は恋仲です。傾いた家のためお熊は、婿を取ることになり、悩む二人の前に髪結を仕事としている「新三」が現れ、二人をそそのかして「お熊」を連れ出してしまいます。
だまされた「忠七」は、「源七」という親分に頼み、「お熊」を取り戻そうとしますが、「源七」は「新三」にやり込められてしまいます。
話を聞いた「新三」の住む長屋の大家「長兵衛」が間に入り、「お熊」を取り戻そうとします。
この「長兵衛」が「新三」より上手の業突く張りで、上手いこと「新三」から「お熊」を取り戻したうえ、「新三」が受け取るはずの「お熊」の見受け金の上前をはねてしまいます。
「新三」は結局、やりこめた「源七」の恨みをかい殺されてしまい、「源七」は大岡越前の裁きを受ける。
この「新三」と「長兵衛」のやり取りが、悪党同士の駆け引きと下町の風情が活き活きと表現されていて、とても小気味よく笑えます。
今回の公演では、最後の大岡越前まではいかなかったので、途中で終わるのか~と感じた参加者もいたのですが、小坊主はとても楽しめました。
さて、「一幕見席」についてですが、改修前の歌舞伎座でも何度か利用したことがあります。
改修後の歌舞伎座でも、「一幕見席」のシステムを残してくれて、とても嬉しかったのですが、以前とはシステムも少し変わったようです。
一幕見席 チケット |
しかし、今回からはチケットの販売時間と、演目の開演時間に1時間ほどの空きがありました。
新しい「一幕見席」チケットには、入場番号が入っています。
時間になると鑑賞席の入り口前に、入場番号順に並んで、入場番号の早い人から自由に席を選べるようになっていました。
前よりもだいぶ厳しくなったというか、キチンと管理する体制になったなという印象です。
今回はチケット販売前の1時間半前からチケット売り場前に並んでいたのですが、ちゃんと早めに並んだ分だけ、自由に席を選べるチャンスが多くなるので、並ぶだけの甲斐があると感じました。
チケット入手から開演まで時間があったので、新歌舞伎座の中を入れるところまでですが、散策してみました。
改修前の歌舞伎座の模型や歌舞伎俳優の写真などが展示されていて、屋上の庭園は大したことなかったですが、時間つぶしには十分でした。
以前の歌舞伎座を比べると、ビルと一体型になっているので、だいぶ大きくなったなという印象です。
「一幕見席」への行き方も、急な階段からエレベーターに変わりましたし、いろいろと近代化されています(笑
「一幕見席」から舞台をみた印象ですが、席数を増やした割には、見難いということもありませんでした。
3階席からの鑑賞なので、遠いのは仕方ないのですが、オペラグラスを持って行っていたので、気にせず楽しめました。
改修前から「一幕見席」を専門に歌舞伎を見ていたので、以前と大きく変わらない形で歌舞伎座を利用できることが確かめられて、十分な収穫がありました。
「一幕見席」のチケット販売時間などは、「歌舞伎美人」のサイトから、確認することが出来ます。
サイト内の公演情報 ⇒ 歌舞伎座 ⇒ 各月の演目の中から、チケット詳細の箇所に「幕見席」についてのリンクがあります。
そこから、チケット販売の開始時間と金額が分かります。ただ、「幕見席」の情報がチケット詳細の箇所に追加されるのは、当月の演目が上演初日を迎えてからになるそうです。
歌舞伎座に問い合わせてみたところ、上演初日を迎えないと、各演目にどれだけの時間がかかり、「幕見席」のチケットを販売できる時間が計算できないという回答でした。
そのため、「歌舞伎美人」のHPを確認するタイミングによっては、チケット詳細の箇所に「幕見席」についての記載のないことがありますので、気を付けてください。