展覧会レビュー 永遠の都ローマ展@東京都美術館

<概要>
展 示:永遠の都ローマ展
鑑賞日:2023年11月26日
場 所:東京都美術館
<評価>
混み具合  辛い/1・2・3・④・5/快適
作品の数 少ない/1・2・③・4・5/多い
面 白 さ   退屈/1・2・③・4・5/面白い

ローマ教皇のコレクションを中心に建てられたカピトリーノ美術館のコレクション展示
カピトリーノのヴィーナスが目玉

<構成>
1 ローマ建国神話の創造
2 古代ローマ帝国の栄光
3 美術館の誕生からミケランジェロによる広場構想
4 絵画館コレクション
5 芸術の都ローマへの憧れ

<レビュー>
ワタクシ、ローマ人の物語@塩野七生を少し齧った程度のローマ好き。
*ローマ人の物語は、ローマの歴史の長さと1冊の分厚さに打ちのめされ、5代目皇帝あたりで挫折しております。

ローマには行ったことがあるのですが、カピトリーの美術館、岩倉具視といった日本使節も訪問する由緒ある美術館のようですが、美術館の存在を知りませんでした。
建国神話に由来する双子が狼から授乳する「カピトリーノの牝狼」やアウグストゥス像など、ローマの始まりを見ると「歴史」の深さに感慨深くなります。
絵画は名を知らぬ画家がほとんどでしたが、優品が多かったように思います。
教皇コレクションが核なので、キリスト絵画か多いのは当然でしょうか。
展示構成としては、ローマ建国から帝政への移行、ローマの栄光と流れが良かったものの、後半は対象が歴史なのか美術なのか曖昧で、テーマを絞りきれなかった印象になりました。
正直、地味な展覧会だったためか、参加者の方は無料で入れる「上野アーティストプロジェクト2023 いのちをうつす」のキノコの絵が良かったというお話あり

<今回の一品(お気に入り)>
カピトリーノのヴィーナス
特別展示の区画があり、東京で見るよりイタリアの美術館で周囲の環境と合わせて鑑賞すると、最も引き立つ彫刻なのだろうなと思うしだい


展覧会レビュー 棟方志功展@東京国立近代美術館

2023年10月29日

<概要>
展 示:棟方志功展鑑賞日:2023年10月29日
場 所:東京国立近代美術館
参加者:8人
<評価>
混み具合  辛い/1・2・3・4・⑤/快適
作品の数 少ない/1・2・3・④・5/多い
面 白 さ   退屈/1・2・③・4・5/面白い

「世界のムナカタ」として名を知られる棟方志功の生誕120年を記念しての展覧会

<構成>
プロローグ 出発地・青森
第一章 東京の青森人
第二章 くらし・信仰・風土 富山・福光
第三章 東京/青森の国際人
第四章 生き続けるムナカタ・イメージ 

<感想>
ワタクシ、富山出身のため棟方志功には名前や作品に触れる機会もあったのですが、令和になってどれだけの人が棟方志功を知っているのだろうか?と思っていましたが・・やはり展覧会への来館者は少ない様子

仏画の版画家というイメージありますが、今回、初期の絵から、中期の仏画、後年のビエンナーレ出展作品まで眺めてみて、抽象性は共通しつつも仕事の幅は小説の挿絵から包装紙のデザインまで、なんでもやっていた人だったんですね
仏画のイメージが強すぎて、他の仕事の存在にまで目が回らないというのが残念なところです
民藝の世界とつながる骨太なデザイン、土臭さ、令和の時代にはなかなか目にすることのなくなった線の太さ。
千葉市美術館の新版画展で見た川瀬巴水の世界とは真逆な世界です
デジタル化され土臭さが消えていく世界で、ムナカタ・デザインが見直される日が来るのだろうかと思いつつ鑑賞しました
解説にムナカタ・デザインは、地方性と相性が良いと書かれていましたが、まさに土臭さがローカライズされたパワーにつながると感じた次第。アナログではなく泥っぽさが作品としての生々しさを強く感じさせられます
でも、この土臭さは消えていってしまうのだろうなと感じ入る展覧会でした。

<今回の一品(お気に入り)>
二菩薩釈迦十大弟子
黒と白のシンプルな線の強さ、人物の骨格、表情などよく練られた構成力を感じます


展覧会レビュー デイヴィッド・ホックニー展@東京都現代美術館

2023年9月24日

現代アートの分類に入る画家ですが、 肖像画や風景など美術館賞で馴染みのあるテーマ

の作品が多く、鑑賞していて戸惑いのない展覧会でした
現代アートというと、 難解な表現物で造りも意味も理解しようのない作品? というイ
メージありますが、ホイックニーは風景画も多く、 日本人好みな作品が多かったように
思います。
肖像画では 「クラーク夫妻とパーシー」 が、 大画面で人物の表情や世界の明るさに魅力
ありました。
1F展示の終わりの方に、 「ノルマンディーの12ヶ月」 という絵巻物みたいな長大な作
品がありましたが、 iPadで描いた絵をつなげた作品のようです。
今もiPadで絵を描き続けているそうですが、 発想が柔軟でチャレンジ精神あふれている
感じがします。
色彩も豊かで自分に見えている世界を表現しようというエネルギー、ホイックニーは80
歳を超えているそうですが、 精神の瑞々しさは衰えることがないのだなと実感させてく
れました。
山下清展に続いて、今年、強く印象に残った展覧会になりました。

「クラーク夫妻とパーシー」


1月のマイイベントは、『ダンシング・ベートーヴェン』とベジャール『第九』の鑑賞

 去年からですが、1月の恒例は「ダンシング・ベートヴェン」を見てから、NHKオンデマンドで「プレミアムシアター モーリス・ベジャール振付 ベートーベン「第九交響曲」」を見ること。

新年が始まったのだなと、新鮮な気持ちを取り戻せます

バレエの振付それぞれに、第九のメッセージが込められていて活力がでてきます。
生きるエネルギー、人々が手を取り合う円環のつながり、身体の躍動感からでてくる力強さ、新年の感動を忘れないよう1年を過ごしていきたいものです

「ダンシング・ベートヴェン」
「プレミアムシアター モーリス・ベジャール振付 ベートーベン「第九交響曲」



都築響一コレクション 大道芸術館が曳舟にオープンしていると聞いて

 都築響一さんは写真集を何冊か見てから、興味ある写真家です。

趣味の道具にあふれた個人の部屋を集めた『TOOKYO STYLE』とかインパクトありました。
曳舟に大道芸術館というコレクション展示場を開いていたんですね。予約制でチケット3,000円ですが、今年中に行ってみます。
https://museum-of-roadside-art.com/

東京美術館めぐり 2023年 美術館めぐりスケジュール

あけまして、おめでとうございます。
昨年は美術館めぐりの定例鑑賞会を再開し、無事に1年の美術館イベントをひらくことができました。
今年も美術館めぐりをはじめ、アートや文化に触れる活動を続けていきたいと思います。
2023年の定例鑑賞会スケジュールをたてました。

今年の注目する展覧会は、重要文化財の秘密展、甲斐荘楠音の全貌展、山下清展です。
エゴン・シーレはじめ注目の大きい展覧会もありますが、普段、接する機会のない画家を見ていくスタイルにしています。


1月29日(日)
亜欧堂田善展@千葉市美術館、1.13〜2.26

2月26日(日)
エゴン・シーレ展@東京都美術館、1.26~4.9
https://www.egonschiele2023.jp/

3月26日(日)
重要文化財の秘密展@東京国立近代美術館、3.17~5.14
https://jubun2023.jp/

4月23日(日)
国宝 燕子花図屏風@根津美術館、4.15~5.14
https://www.nezu-muse.or.jp/

5月28日(日)
マティス展@東京都美術館、4.27~8.20
https://matisse2023.exhibit.jp/

6月25日(日)
ガウディとサグラダファミリア展@東京国立近代美術館、6.13~9.10
https://www.momat.go.jp/am/exhibition/

7月30日(日)
甲斐荘楠音の全貌展@東京ステーションギャラリー、7.1~8.27
https://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition.html

8月27日(日)
生誕100周年 山下清展@SOMPO美術館、6.24~9.10
https://www.sompo-museum.org/exhibitions/2022/yamashitakiyoshi/

9月24日(日)
デイヴィッド・ホックニー展@東京都現代美術館、7.15~11.5
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/hockney/

10月29日(日)
棟方志功展@東京国立近代美術館、10.6~12.3
https://www.momat.go.jp/am/exhibition/

11月26日(日)
世界遺産ローマ展@東京都美術館、9.16~12.10
https://www.tobikan.jp/index.html

12月17日(日)
ゴッホと静物画展@SOMPO美術館、10.17~24.1.21
https://www.sompo-museum.org/exhibitions/2022/gogh2023/





東劇 シアターオペラ『椿姫』を鑑賞

東劇でメトロポリタンオペラのライブビューイングが鑑賞できます。
12/16~12/22までは、ヴェルディの『椿姫』です。

2022年11月にメトロポリタンで上演された公演のムービーです。
映画館での鑑賞ながら幕間の休憩をはさみ、約3時間の長丁場になります。

幕間に出演者やマエストロへのインタビューが入っていますが、インタビュアーもヴィオレッタを演じた役者の方なので、質問も音域コントロールのテクニカルな話もあり、プロの視点を垣間見ることができました。

生オペラはなかなか敷居が高いですが、シアターだと舞台の真ん前で見ている近さで鑑賞できます。役者の表情の変化、喉の変化も感じられるのはシアターならではですね
生オーケストラが・・というのにこだわりなければ、十分、楽しめるかと思います。
年明けはシアター歌舞伎で二人藤娘、6月ごろに同じシアターオペラで魔笛を鑑賞するつもりです。
メトロポリタンオペラ