ユベール・ロベール・・・いや~、これまでどこかで見たことあるかもしれないんですが、ほとんど知らない人です。
混み具合 辛い/1・2・3・4・⑤/快適
あまり有名じゃないからか、または展示内容が素描が多いからか、人は少なくて快適でした。
並んで絵を見る場所とか、ほとんどなかったです。
作品の数 少ない/1・2・③・4・5/多い
作品は少なすぎず多すぎずで、じっくり見ればそれなりに時間はかかりますが、2時間もあれば十分です。
また、サンギーヌ(チョーク)での素描が多いのでカラー?物は少ないです。
面白さ つまらない/1・2・3・④・5/面白い
素描が多いので、油彩等の鮮やかさや作品のインパクトを求める人にはつまらないと思いますが、自分は画家の技術や構成が面白くて十分に楽しめました。
以下、展示順などはバラバラになってしまってますが、気に入った絵です。
マルクス・アウレリウス騎馬像 |
赤ん坊に哺乳瓶を差し出す若い女 |
古代の廃墟 |
メレヴィルの城館と庭園 |
古代遺物の発見者たち |
ブーシェ 水車のある風景 |
ユベール・ロベールは、18世紀頃に「廃墟のロベール」として名声を得たフランスの風景画家です。
ロベールの絵にはローマの廃墟がよく出てきますが、1754年から10年近くイタリアはローマに留学していたようで、その時の影響があるんでしょうね。
しかし、当時、10年近くもイタリアに留学できたというのは、すごく恵まれていたのではないでしょうか。
だいたいの画家は、一度はイタリアへ絵画修行に行ったり旅行したりしてるので、ルネサンス後のイタリアで技術やモチーフなどいろいろ吸収するのに十分だったと想像できます。
油彩以外の素描も多くが、ローマの建築が多いです。
でも、サンギーヌ(チョーク)ひとつで陰影を描く技術は素晴らしかったです。
技術のしっかりした人は、道具に何を使っても確かな絵を描くことが出来るんですね・・・
廃墟のロベールと言われるくらい建築・廃墟を描いてますが、どの風景画でも建築と人間が描かれていて、どちらか一つで描かれてる物はほとんどありませんでした。
反対に風景に人間が入ることで、建築物の大きさや時間の流れが引き立ってました。単なる風景画だとアクセントがなくて、それこそ淡白な印象になってしまうところです。
必ずしも見たままを描いているわけではなく、一部、イタリア留学時代に記憶にとどめたモチーフを空想の建築として組み入れながら描いている物もありますが、どれも時間の流れを意識させじっくりと人を引き込む魅力ある絵です。
たぶん、そんなにメジャーではないので混雑してないし、ゆっくり絵を楽しみたい人にはお勧めできる展覧会です。