展覧会レビュー、所どころに差し込まれる横山光輝「三国志」も魅力「三国志展」@東京国立博物館


概要

展 示:三国志展
鑑賞日:2019年8月
場 所:東京国立博物館

評価

混み具合  辛い/1・2・3・④・5/快適
作品の数 少ない/1・2・3・④・5/多い
面 白 さ   退屈/1・2・3・4・⑤/面白い

構成

プロローグ 伝説のなかの三国志
第一章 曹操・劉備・孫権―英傑たちのルーツ
第二章 漢王朝の光と影
第三章 魏・蜀・呉―三国の鼎立
第四章 三国歴訪
第五章 曹操高陵と三国大墓
エピローグ 三国の終焉―天下は誰の手に

感想

写真を撮れる作品が多く、来場者はそこまで多くなかったが写真待ちで混雑している展示もそこそこあり
中国人団体客が来館していたが、常設展などを見て面白いのだろうか?と素朴な疑問を抱く

NHK人形劇「三国志」(1982~1984)の人形が展示されていて懐かしさと、人形の大きさ・精巧さが実物をみて初めて分かる
*人形作家は「川本喜八郎」
自分はこの人形劇「三国志」を普通にTVで見ていたが、他の鑑賞している人が「あの伝説の」と会話していたのが印象に残る
制作にいろいろと手間がかかるものと思うが、CGが多用されるいま、このアナログな技術に新鮮味を覚える
また、人形劇をみてみたい

当時の武器、日用品、建築物の模型などの展示があり、生活感などのイメージを創りやすい
解説に当時は寒冷期で人口はかなり少なかったとの記述があり、大陸の戦争は常に万人単位の大戦争というイメージがあったため、固定観念ができてしまっていたと気付く
建築技術・陶磁器などの技術も高く、文化的にも技術的にも先進地域だったことがよく分かる
展示でつながりを再確認するまで意識していなかったが、「魏志倭人伝」の魏が三国志の魏とつながり驚く
それぞれの言葉を知っていても、歴史上のつながりのある出来事と見ていなかった

中国は広いというが大陸へ渡航した経験がないため、いまいち中国の広さが分かっていない・・「魏呉蜀」の三国も地図上で三国があるとしか見れていなかった。
三国歴訪で三国の特徴がしめされ、魏=漢王朝の地域にあり文化度がたかい・蜀=実り豊かな地域で食が充実・呉=沿海部を支配し海を伝った他国との貿易も盛んと、地域ごとに文化も宗教も制度も違うことが分かる
蜀エリアで「金のなる木」の展示があり、自然が豊かで植物と富を結びつける独自さ、当時、すでに金銭と富への願望があったことに経済力を発展を感じる

今回の一品(お気に入り)


明時代の製作
関羽と名前を聞いて思い浮かぶ関羽にとても近い木像
神格化が進んだ関羽像と思われるが、表情や髭、全体的な造形に品がありイイ

チラシ