概要
展 示:クリムト展鑑賞日:2019年6月
場 所:東京都美術館
評価
混み具合 辛い/1・②・3・4・5/快適作品の数 少ない/1・2・3・④・5/多い
面 白 さ 退屈/1・2・3・④・5/面白い
構成
1.クリムトとその家族2.修業時代と劇場装飾
3.私生活
4.ウィーンと日本
5.ウィーン分離派
6.風景画
7.肖像画
8.生命の円環
感想
クリムトはやはり人気で、会場入りに30分待ち・・30分なら早い方か初期の作品から晩年近くの作品まで、クリムトの画業の流れを辿っていくことが出来ます。
個人的には風景画も描いているのは、意外な感じがして新鮮でした。
アレだけ女性と装飾性に凝った作品を作り続けていると、疲れることもあるのかもしれない。
「ユディト」は大人気、周囲に人が固まっているので、遠めから単眼鏡で覗き見
「ヌーダ・ヴェリタス」の方が個人的には、好みの作品でした。
「ユディト」は表情といい、女性の艶めかしさや背景の黄金など存在感あるイイ作品だと思うのですが、何か重く感じてしまいました。
「ヌーダ・ヴェリタス」は、想像より縦長のスラリとして、描かれる女性のちょっと現実離れした雰囲気、上下の装飾のバランスといい魅力的です。
「ベートーヴェン・フリーズ」は空間の構成も良くできていましたが、空白も広く活用されているのが印象的です。
クリムトなら、もっと空白を残さないよう装飾で埋め尽くすスタイルかと思っていましたが、「白い余白」があることで正面の「悪」が際立つ余裕ある構成になっているのがイイ。
左右に描かれる女性たちよりゴルゴンの方が魅力的なのは、「悪」に惹かれるのが人のサガなのでしょうか。
会場を2週しましたが、人も多くあまり細々と見ていくことはできなかったのは残念ですが、クリムトが女性をテーマにしながら「生命の円環」といった象徴的なテーマにも取り組んでいて、新たな1面を発見できたのはいい収穫です。
17人?も子供がいたらしいですが、さすが女好きのクリムトさんや!というより、あれだけイイ作品があればモテますな!ということがよく分かりましたw
今回の一品(お気に入り)
「女の三世代」
「家族」
描かれたタイミングはちょっと違いますが、似た構成の作品で印象に残ります。
「女の三世代」は「幼年、青年、老年」と人の人生の流れを描き、行きつく先に「死」を捉えています。
反対に「家族」は、真っ黒で始めから「死」をテーマにしている様子
ワザと似た構成にしたわけではないのでしょうが、一つながりの作品のように感じられます。
象徴性を巧みに描き出す 、クリムトの技術はやはりスゴイなと改めて感じ入る作品でした