展覧会レビュー、安定感は抜群、見どころも満載!『ルーベンス展 バロックの誕生』@国立西洋美術館


概要

展 示:ルーベンス展 バロックの誕生
鑑賞日:2018年12月
場 所:国立西洋美術館

評価

混み具合  辛い/1・2・3・④・5/快適
作品の数 少ない/1・2・3・4・⑤/多い
面 白 さ   退屈/1・2・3・④・5/面白い

構成

Ⅰ ルーベンスの世界
Ⅱ 過去の伝統
Ⅲ 英雄としての聖人たち
Ⅳ 神話の力1 ヘラクレスと男性ヌード
Ⅴ 神話の力2 ヴィーナスと女性ヌード
Ⅵ 絵筆の熱狂
Ⅶ 寓意と寓意的説話

感想

・ルーベンスのイタリア滞在中の時期にスポットをあてた展覧会
・絵画のテーマとしては、宗教画・神話などが多い
ラオコーン(バチカン美術館)の模写があり、小坊主もイタリアで見たラオコーンを同じようにルーベンスも見ていたのかと思うと、少しでも接点があったと嬉しくなると同時に、時代を超えて遺されていく作品の偉大さを感じた。
・ルーベンスの作品を見ていると、教科書的な安定感を感じる。背景には彫像の研究を通した肉体への理解、神話や伝承などの教養、光や色彩など表現技術の確かさなど、蓄積された基盤の大きさがあるのだと思う。
ルーベンスへの当時の評価に、『普遍的な』作品を描くというものがあったと解説に書かれていたが、納得するモノを感じた。
ルーベンスのイタリア滞在はそういった基盤の構築に影響した時期で、イタリア絵画の画家として見たルーベンスを表現する展覧会だった。

今回の一品(お気に入り)

 『エリクトニオスを発見するケクロプスの娘たち』
豊穣を表現した作品らしく、明るさを感じる作品。
展覧会で手前の展示が宗教画で渋めの作品が多かったので、より明るく気楽さを感じたのかもしれない
4人の女性が描かれているが、それぞれの女性の表情が多様で、その目線にも意味があるらしい。
画面左の彫像や右の彫刻にも、獣的な性欲や大地の女神など、神話に基づくいろいろなテーマの盛り込まれた作品らしく、角度を変えて多様な見方ができるのも魅力の1つ

チラシ