美術館そのものは知っていたのですが、なにせ千葉の舞浜からさらに遠くまで行く必要があるので、しり込みしていたのですが、今年のテーマが有名どころとは違うクセのある美術館にも足を運ぼう!のため、気合を入れて行くことにしました。
ホキ美術館は、千葉県のあすみが丘というところにありまして、最寄り駅はJR外房線の土気駅になります。自宅から約1時間で土気駅に到着し、路線バス「あすみが丘ブランニューモール行」で、約5分で到着します。
ホキ美術館と隣には「昭和の森」という広大な公園があり、美術鑑賞の前にそちらを散策しました。
とても広い公園でした・・・普通の芝生エリアから、田圃などのある自然観察エリアまであり、東京ドーム23個分の広さがあるとか。
広すぎて軽く入口手前から、付近を散策してお腹いっぱいです。軽くランチして、そそくさと美術館へ。
美術館自体は大きな建物ではないですが、デザインや造りにコダワリのあるもので、なんか船かカタパルトみたいでした(笑
今回の目的は、こちらの展覧会「ホキ美術館大賞展・新 私の代表作展」になります。
この展覧会は、2011年11月から2013年7月までに第一回ホキ美術館大賞選定のため、公募された中から入選した作品56点を展示するものです。
展示作品は、どれも写実的でありながら、それぞれ個性が分かれていて興味深かったです。
写実的な表現を追求しながら、ある人は実物の質感の表現を追求し、ある人は写実的な技術の上に人物や情景のなかにそれぞれのテーマを表現しようとしています。
同じ写実の世界の中でも画家によって方向性や求めるもの、結果としての表現に多様性が出てくるのが、当たり前ですが興味深い点でした。
美術館賞を始めたころは、静物画や風景画でも写実画が好きで、技術的な職人芸というか表現力を魅力に感じていました。
それが、絵画鑑賞を続ける中でだんだんと写実画への魅力が薄れ、展覧会でもさらっと流し見するようになっていました。
今回の展覧会では、各作品を比べながら画家の技術や方向性の違いを感じることで、人間の表現力への探求というか、表現することの多様性を思い出すことができました。
写実にこだわりだすと写真で良いのではないかという話も出てきますが、写真と絵画ではやはり単眼(カメラ)と複眼(人間の眼)の違いというか、見える世界の違いを実感しました。
絵画から感じる奥行や色合いから表現される感情は、写真とは同列にはできません。
また、写実の魅力とは別に、写実という表現を追求していくと緻密さや細やかさのこだわりに収束して、あまり芸術的な発展が乏しそうにも感じました。
技術的・世界観的に自分の世界をつくり、また、そこを壊していく作業が芸術には必要なのではないかと思いますが、写実の世界には表現の壁がたくさんありそうでした(笑
いろいろな発見のあった鑑賞会で、個人的には満足です。
最後に土産のポストカードをゲットして、今回の鑑賞会はお開きです。
正直、遠いのでまた再訪できるか、分かりません(笑
そういう意味でも、貴重な鑑賞会となりました。