上野、国立西洋美術館へ「カポディモンテ美術館展 ナポリ・宮廷と美」へ行きました。
http://www.tbs.co.jp/capo2010/
連休で、終わりかけの展覧会なので混んでるかと思ったら、さほどでもなく。
意外と人気ないんだろうか?
イタリアというと、ついフィレンツェが思い浮かぶんですが、南イタリアではこのカポディモンテ美術館は、ビッグネーム!
もともとブルボン家・ファルネーゼ家といった王家や貴族のコレクションが基になってるようで、ボッティチェリやカラヴァッジョなどいい作品をコレクションしている美術館です。
かつての宮廷がそのまま美術館になってるそうで、ナポリの写真を見てたら、イタリアに行きたいなぁと旅行熱が上がってきました。
さて、まず目を引いたのがこちらチラシにも出てる
ので、知ってる人も多いでしょう
パルミジャーノ「貴婦人の肖像(アンテア)」/1530年
立ち姿の美しさも衣服の素材感、毛皮の表現ものっぺりした感じにならず技術の確かさを感じます。
女性も目力を感じさせる描写で、少し近寄りがたい雰囲気もあります。
体の向きは、正面から少し右が前に出る形でそちらが強調されてるようです。
モデルが誰かは知らないけど、力強さと美人度はさすが展覧会の目玉になるだけはありました。
しかし、マニエリスム(1537年)の影響で誇張表現が入ってるらしいけど、この女性の肩幅はいかがなものかと。
右側を強調したいためにこうなったのかもしれないですが、普通に見てるとエライごついネーちゃんやなぁと思ってしまうw
技術や絵の存在感は申し分ないのだけど、つい
このアンバランスさに引っ張られてしまうのが、自分
には受け入れきれませんでした・・・
エル・グレコ「燃え木でロウソクを灯す少年」/1572年
この光の表現が、素晴らしい。
色合いやロウソクの具合が違うけど、ジョルジュ・ラトゥールの「大工の聖ヨセフ」を思い出しました。光の暖かさや衣服や顔、手への光の拡散具合に見とれます。
陰影の配分が、人物の表情や雰囲気に深みを与えてくれています。
ん~、寝室に飾りたい絵ですねw
グイド・レーニ「アタランテとヒッポネメス」/1622年
これも、前から見てみたかった絵です。
意外と実物は大きく、迫力ありました。
神話で走るのがメチャ速いアタランテさんと結婚したい、ヒッポネメス・・・
アタランテさんは、命を懸けた駆けっこで敗者には死を・・・勝者には求婚する権利を!ってことで、駆けっこの最中を描いたものです。
ついでに、ヒッポネメスは黄金のリンゴを3つもってて 追いつかれそうになるたびに、黄金のリンゴを転がして距離をかせいだようです。
勝つためには手段は選ばない!・・・命が懸かってるんで、仕方ないのか?
たなびく衣の表現も疾走感が出てて、一瞬の場面を捉えた躍動感があります。
また、ギリシャ彫刻ばりの筋肉と肌の美しさは、一見の価値があります。
お互いの目線や体が向き合ってない中で、互いを対 比させる構図は珍しく、素直に上手いなぁと思います。
フランチェスコ・グアリーノ「聖アガタ」/1645年
ローマ時代に迫害されたキリスト教徒で、乳房を切り取られる 拷問を受けた聖女ということです。
見た瞬間、まず、痛い!血がにじんでるし・・・痛い!!
とインパクトを受けたところで、顔を見ると痛がるというより挑発するような目が、印象的です。
片方の目しか描かれてないですが、この目にすごい吸引力を感じます。
エロス?・・・ん~、貴婦人の肖像のような力強さでもないし。
プライドというか、気丈さを感じます。
この抑えた存在感は、表情と目から出てくるものなんでしょう。
見ていく中で、印象が変わっていくいい作品です。
内側は筆で手塗り・・・赤色の絵付けは難しい。小鉢@陶芸
小鉢ですが、前から続いて絵付けをやっています。
今回は趣向を変えて、いろんな色の実験をしてみました。
基本は黒天目を使って、漆器のような雰囲気にしたかったのだけど・・・
黒天目は、漆器のように色が出てくれました。
中を赤絵具で、地道に筆で塗ったんですが思ったほど、筆の跡が出ないで良かった。
手びねりで作ってるので、凸凹もあるしムラが出ないように塗るのは、本当に難しい・・・
なので、かなり心配してたけど、許容範囲内に収まりました。
側面は、青・ピンク・緑・黄色を使ってみました。
四角があまり、キレイに描けてないのが残念なところだけど、色同士のにじみはそんなになくいけました。
これも、筆で塗ってるので形が手作り感にあふれてますw
スポンジに含ませて、模様をつける方法もあるようなので、そっちを試してみるのも面白いかな。
もう一つの側面には、赤で模様を入れてます。
これも、三角の形がビシ!っとしてれば、もっと品がでると思うんだけど、手塗りではまだまだ均整の取れた形には、持っていけません。
おかげで、釉薬一色で染めるより面白いモノが出来たと思います。
この漆器モドキは、シリーズでいろいろチャレンジしてみたいですね。
後は絵のモチーフ探しと、自分の画力upが問題。
それが一番問題だけど・・・
自分、不器用なんで・・・無理っす
江戸東京散歩シリーズin押上~亀戸
8月の谷中から始まった?江戸東京散歩シリーズ・・・今回は本所絵図(左)を見ながら、押上から亀戸天神までを巡ってきました。
まず押上といえば、話題の東京スカイツリー!
正直、忘れてたんだけど押上駅を出ると、人がいっぱい写真を撮っているではないか。
何事?と振り返ると、スカイツリーが鎮座ましましておりましたw
デカイ!駅から進むと、撮影ポイントがあったのでバシバシ撮影。
デカイから、全景を入れるの難しいー。
地面にひざまずくようにして、撮影・・・まるでスカイツリーの威容に這い蹲るようにして撮影w
たぶん、何日もかけて進み具合をチェックしてる本職の方もいるんだろうけど、ミーハーな小坊主にはこれで充分。
さて、スカイツリーを拝んだ後は絵地図にある観光スポット?巡りへ。
まずは春慶寺。
ここには、「東海道四谷怪談」の作者、鶴屋南北(真中)の墓があります。
鶴屋南北がなぜこの寺に入ってるのか知らないけど、江戸時代は押上の普賢ってことで普賢菩薩が有名な寺だったようです。
しかし、江戸からある寺だからそれなりの古刹な貫禄があるかな~と期待してたら、コンクリート製の寺でした・・・
まぁ、時代の流れがあるから仕方ないんだけど、京都の寺のような雰囲気を期待するのは間違いなようです。
寺としては、前の谷中の方が寺町だったのもあってか、落ち着いた雰囲気が色あせない歴史を感じさせてくれたもんです。
なかなか都会の寺は、保存が難しいんでしょうね。
さて、お次は法生寺へ。
ここは葛飾北斎にゆかりのある寺だそうで、寺の外壁にデカデカと葛飾北斎の絵が描いてありました。 そこまで、宣伝してるのに寺内には誰もいなくて、静かなものです。
ここまで、わざわざ観光に来るような物好きはいないからかもしれないw
北斗七星の菩薩を祀ってるようです。
上の写真は、法生寺じゃなくて次に行った龍眼寺のものです。
ここは、庭もきれいで落ち着いた寺で、コンクリート寺からやっと違う世界へ来れた!と小躍りしました。
昔から萩の名所として有名な寺で、松尾芭蕉の「ぬれてゆく人もおかしや雨の萩」という句碑があります。
緑も豊かで、時間の流れが違います。
まだ、萩の時期じゃないので萩寺とまで言われる萩を堪能できなかったのは残念。
亀戸七福神の布袋尊が祀られているので、ご利益を祈り次へ。
お次は光明寺(左)へ。
ここには、浮世絵で有名な歌川豊国の墓があります。
緑は多いけど、寺の清廉さでは前の龍眼寺の方に軍配があがります。
本道脇から裏にかけては墓所があり、墓参りに来ている家族連れの姿も見られました。
今も現役というか、檀家?とつながりのある寺のようです。
墓が多すぎて、歌川豊国の墓を探すのは断念。
墓所入口にポツンと水子供養の地蔵があるのが、気になった・・・
ま、夏の休みに家族で墓参り・・・たまにはそんな静かな一日も良いかもしれません。
光明寺を後にして、普門院へ(真中)。
ガイドには、真言宗の古刹とあるので立派な寺を期待していったら、ちょっと荒れた寺でビックリ。
管理する人がいないのか、管理しててもあぁなのかは分からないけど、寺内に粗大ゴミが放置されているのは如何なものかと。
「野菊の墓」を執筆した伊藤左千夫の墓があるんだけど、著作は有名だけど墓所は墓の碑がポツンとあるだけで、ちょっと悲しい。
マニアが参拝にきたりせんのかな~と思うんだけど、今時、流行らないのかしらん。
ん~、寺内の奥には墓もたくさんあるんで、墓参りに来る人はそれなりにいるんだろうけど、何か人気のないそれだけの寺って感じで、面白みはない。
ちょっと悲しい気分に浸ったところで、メインスポット亀戸天神へ(右)。
さすが、天神社・・・境内といい社殿といいなかなか立派。
また、庭が面白い。
ちょっとした回遊式の池と通路を太鼓橋がつないでて、この太鼓橋にはちゃんと理由があるようです。
1番目の男橋じゃ過去を、平橋は現在を、女橋は未来をあらわしています。
なかなか凝った造りじゃないですか。
たぶん、誰かが餌をやってるせいだと思うけど、池の淵に立つと亀が大挙して押し寄せる姿は、恐怖を感じるw
天神といえば、太宰府天満宮。天神といえば、菅原道真。
しかし、菅原道真は本来、神じゃなく権力争いに敗れた人間なわけですが、祟りから神になりましたが。 祟りの主を神に祀ることで、祟りをおさめてなおかつ利益まで得ようとするのは、独特ですね。
墓参りや先祖崇拝の流れも、こういった祀りと繋がりがあるのかもしれません。
でも、何で神として祀られることで、祟りがおさまるんだろうか・・・分からん。
祟りが強ければ強いほど、神としてひっくり返ったときの利益も大きくなるようで、不思議なシステム。
将門の首塚もあるし、かつての帝都は京都とはまた違った雰囲気があります。
ま、怪しくなったのは明治とかからで江戸時代は、もっと明るく縁日にあわせて参拝したりとか、いかにも観光的な楽しみがあったんじゃないかと妄想しますw
かなり歩いたので、一休みしようと亀戸天神の近くにある葛餅の店、船橋屋でまったりしようと思ったけど、人が並んでたので断念。
せっかく亀戸まで来たので、かの有名な亀戸餃子をゲットして帰りました。
亀戸餃子、出来れば店内で食べた方が楽しいんだろうけど、人も多いし煙たいから持ち帰り。
餃子のわりに野菜大目のアッサリした味わいで、この薄味?が人気の一つなのかもしれません。
気楽に食べられるのが、良いですね。
亀戸ホルモンは、今回はパス。
機会あれば、亀戸ホルモンで肉三昧したいもんです。
ただ、並ぶのがなぁ。
さて、江戸東京散歩に加えて新しいネタ本をゲットしました。
それは、広重の大江戸名所百景散歩・・・また、江戸の散歩ものかい!という突っ込みは、聞き流してw
http://www.amazon.co.jp/%E5%BA%83%E9%87%8D%E3%81%AE%E5%A4%A7%E6%B1%9F%E6%88%B8%E5%90%8D%E6%89%80%E7%99%BE%E6%99%AF%E6%95%A3%E6%AD%A9%E2%80%95%E6%B1%9F%E6%88%B8%E5%88%87%E7%B5%B5%E5%9B%B3%E3%81%A7%E6%AD%A9%E3%81%8F-%E5%8F%A4%E5%9C%B0%E5%9B%B3%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%BC-3-%E5%A0%80-%E6%99%83%E6%98%8E/dp/479591902X
でも、この大江戸名所百景は良い!
江戸東京散歩と同じく絵地図と現代地図があって、そこに歌川広重の浮世絵図が1Pごとにまとめて見られるわけです。
つまり、現地でかつての江戸の風景がどんなだったか妄想に浸れるわけですよ。
これからは、この大江戸名所百景散歩も合わせて現地からのレポートをお伝えしていきます。
次は、上野で寛永時跡を巡るか両国辺りを巡るか・・・続くかどうかは小坊主の気分と元気しだい
興味ある方、リクエストをお願いしますw
浴衣と日本酒in浅草橋
竹の輪 納涼会ってことで、行ってきました。
ルーサイトギャラリーin浅草橋
ルーサイトギャラリーin浅草橋
浴衣を作ったけど、着る機会がないのぉと思ってたら、いい具合に浴衣イベントが来ました
というわけで、ホイホイ釣られて行ってきました。
着付けや書道とか、いろいろワークショップやってたようですが、特に予約もせず茶と酒だけを飲みに会場へw
場所は浅草橋のギャラリーで、こんなところがあるとは知らなかった。
なかなか渋い建物で、この時だけかもしれないけど二階からは隅田川を眺めながらテラスで茶が飲めます。
隅田川を見ながら日本酒やコーヒーを飲んだのは初めてだけど、時間を忘れられます。
浴衣も着慣れなくて、あまり落ち着かないところを景色が癒してくれます。
なんせ、ちょっと前まで自分の浴衣姿に絶望していました・・・
浴衣を着れば、女性はちょっとエロスがupして、男性も粋な風情が出るはず(偏見という)なのに!
自分は、どうみても芸人(落語家)に見えてしまう・・・
オカシイ・・・浴衣を買うときはこれで自分も小粋なモテメンに変身だ!とか思ってたのに、厳しい現実。
他の人からも、真打になるまで頑張ってね!と励まされそうなくらいの芸人っぷり。
そんな自分に絶望した!
目から汗が出るくらい打ちのめされた小坊主の心も、隅田川の流れに目から出た汗も溶かしてしまおうと思うぐらい落ち着きます。
タダで八海山の試飲が出来て、日本酒講座が聞けるって事で日本酒セミナーに参加することにしました。
八海山の協力ってことで、八海山の会社の方が説明してくれました。
現場の人の話は、実体験が入ってるぶん面白いですね。
日本酒の造られ方は、ある程度、日本酒が好きな人なら知ってることも多かったですが、八海山独自の工夫やコダワリが聞けて、今度から八海山を飲むときに楽しみが増えました。
といっても、小坊主はそんなに日本酒は飲んでないんでナンですがw
巷では焼酎ブームが去ってハイボールが流行ってるようですが、日本酒の好きな人もまだまだいるようで、日本酒から酒の世界に入ることになった小坊主は嬉しいです。
そう、これまで小坊主は醸造アルコールについて誤解?していたんですが、今回、謎が一つ解けました。醸造アルコールって、トウモロコシの蒸留酒だったんですね。
いや~、吟醸酒を飲むと酔いが酷いから、醸造アルコールって何か自分の体質と合わないブツが入ってるんじゃないの!って思ってました。
基本、小坊主はチャンポン酒に弱いんですが、吟醸酒は酔いがキツイ時があったんですが吟醸酒って時点で、ちょっとしたチャンポン酒だったんですね。
(安酒しか飲んでないからじゃないの?という、突っ込みは小坊主を隅田川では癒されないくらい絶望の淵に追いやるので、止めてください)
なので、今度から小坊主と飲むときは純米大吟醸を飲ませてあげるようにしてください。
喜んで、お供します。金は払いませんので、そこは、よろしくお願いします!
建築家とまわる建築散歩in国立西洋美術館など
毎度おなじみアートスクールで、建築講座に参加してきました。
これが今の鬼門ロード。
http://www.google.co.jp/images?um=1&hl=ja&rlz=1T4GGLJ_ja___JP330&tbs=isch%3A1&sa=1&q=%E3%83%90%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E5%BB%BA%E7%AF%89&aq=f&aqi=g1&aql=&oq=&gs_rfai=
ん~、装飾的な方向がぜんぜん違いますなぁ。
この建物、外観からじゃ分からないけど明治・昭和・平成と各時代に造られた部分が合体してるそうです。外観は国立西洋美術館と違って、まだまだ装飾性が色濃く残ってます。
自分、この建物の存在を知らなかったんですよね。
その名も「建築家とまわる建築散歩」 講師は建築家(一級建築士)の岡村裕次さん
国立西洋美術館~国際子供図書館~法隆寺宝物館を巡ってきました。
図で見ると、今の上野公園がそのまま寛永寺の寺所だったのが分かります。
寛永寺は、天海を開山とする天台宗の本山になります。
徳川家とのつながりも強かったとはいえ、寺所の広さといい門~中堂~本坊まで一体となった大寺院だったようで、繁栄っぷりが半端ないw
なんか時代小説でも、寛永寺へ参拝に行くっていう話があったと思うけど、何で寛永寺がそんな出てくるのか分からなかったんですが、これを見て何となく分かるようになりました。
京都だと比叡山が都の鬼門(北東)を守るように、寛永寺に江戸の鬼門を守らせる役割をもたせていたようですね。
そのため、中堂や本坊の向きが江戸城の方面に向いているそうです。
これが今の鬼門ロード。
で、まずは国立西洋美術館へ。
1959年に竣工した建物で、「ル・コルビュジェ」が基本設計したものだそうです。
今まで何度も来てたけど、建物の歴史は考えたことがなかったので、もう50年も経ってる建物だとは思いませんでした。
モダニズム建築の開祖的な人のようで、近代建築の巨匠だそうです。
建築史はよく分からんですが、古典(ギリシャ・ローマ)~ビザンチン~ゴシック~ルネサンス・バロック~折衷~近代へ流れます。
ほぼ、西洋美術史と平行しながら、それぞれの時代の様式が建築にも出ていると。
というわけで、ちょっと比べてみる。
http://www.google.co.jp/images?um=1&hl=ja&rlz=1T4GGLJ_ja___JP330&tbs=isch%3A1&sa=1&q=%E3%83%90%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E5%BB%BA%E7%AF%89&aq=f&aqi=g1&aql=&oq=&gs_rfai=
ん~、装飾的な方向がぜんぜん違いますなぁ。
国立西洋美術館は、コルビュジェのモデュロール(建築上の寸法基準)に基づいているとのことで、外壁や石畳に内部の高さもキッチリ決まってるんですが、装飾性がゴッソリ消えてます。
これが、モダン・クールってやつなんですかね?
個人的にはピロティって、新しかったんだろうなと思います。
近代以前の建物にはピロティがなくて、建物は外界と分断されて開口部が少なく光が入ってこない。
ピロティは半分建物内で、半分が外。
光も風もつつぬけ・・・あれだけ、壁でガッチリ建物を固めてたのから比べれば、開放感が違います。
コンクリートの柱で建物を支えるって、画期的なことだったんですねぇ。
ガラスも一面に使って、建物内と外部との繋がりが自由になって光も大量に取り込めます。
重い暗いゴテゴテしてる!って世界からの変わりっぷりが、凄い。
現代に生きてると、ガラスもコンクリートも当たり前なので、石造りと木造で世界が出来てた時代との違いが分かりにくくて、注意して見ないと何も気づかないまま素通りしてしまう。
国立西洋美術館なんて何度も来てるのに、建物自体に興味なかったんで何とも思ってなかったけど、いろいろ見てくと発見があります。
やっぱり歴史をベンキョーしないと、いかんのではないかと思う今日この頃です。
でも、18ビットの灰色の脳みそでは記憶力に限界が!
外部記憶装置が欲しいw
次は帝国図書館だった「国際こども図書館」
縦と横の線の造り方に、ガラス窓の使われ方・・・国立西洋美術館と比べると重さを感じますね。
内部に入ると違いがそこかしこに見られます。
明治時代の扉には、「おす登あく」って書いてある・・・竣工したのが1906年(明治39年)なので、押戸ってなかったためらしい・・・
今の当たり前を常に当たり前と思ってはイケマセン!
階段にあるシャンデリアは、100年前のもの。
ちょっと遠くて出来具合が分からないけど、よく残ってるなと感心します。
しかし、それよりも面白かったのが1階にある子供の部屋にある世界をしる部屋。
かつての貴賓室・・・出来が違う!
天井の装飾に壁の漆喰、床の寄木といい・・・とても美しい。
壁の漆喰の美しさは、シルクのようです。
何度も丁寧に漆喰を塗り重ねていった職人の技が光ってます。
本当はそういう壁を保護するために、普通、壁に設ける本棚や展示スペースを部屋の真ん中にもってきたり、空調や照明を建具内に取り込んでる工夫に注目するべきなのに、貴賓室が面白くてそんなところばかり見てました。
本当はそういう壁を保護するために、普通、壁に設ける本棚や展示スペースを部屋の真ん中にもってきたり、空調や照明を建具内に取り込んでる工夫に注目するべきなのに、貴賓室が面白くてそんなところばかり見てました。
しかし、100年来の建物が戦争や地震を超えて残ってるってのは、よく残ったなと思いつつ大事にせんとな~とも思います。
でも、建物って保存に手間がかかると思う。
コンクリートってすぐ汚れるし、風雨にさらされるから劣化も早そうだし。
文化財の保護って、大変ですなぁ。
最後が国立博物館の敷地内にある「法隆寺宝物館」
自分、この建物の存在を知らなかったんですよね。
特に展覧会をやってるわけじゃないし、ノーチェックでした。
この建物、谷口吉生(MOMAを設計した)という方が設計したそうで、海外からも見学に来る人が多いとか。
しかし、これまた個性の強い建物でした。
モダン建築の粋らしいけど、隙というものが全くない。
ガラスや床のパネルの配置に全くズレがなく、基本、丸みを帯びた部分がありません。
柱もパネルも照明もすべて規定の位置が決まってて、遊びの余地がないのが特徴です。
館内のイスも床に配置すべき場所が決まってて、イスの足が納まる穴が造られてます。
こんな建物は、初めて見ました。
言われないと気づかないけど、指摘されるとまさにその通りで無駄を削って削ってシンプルさを追求した様子が伺えます。
人によっては、凄い無機質に感じるかもしれません。
後、展示室が面白い。
まず、展示物に解説がない。
展示物の名称も、ケースの横に書かれてて説明とか読まずにモノを見ろ!って意思がハッキリしてます。
展示の配置も、個性的。
人を回遊させようとか、考えてないんじゃないだろうか。
縦横きっちり真っ直ぐ!に決められた位置に配置されてて、ミリ単位でもずれることは許さん!という雰囲気です。
横から見るとガラスケースの並びが、まるで合わせ鏡のように無限に続くように錯覚できます。
展示物が仏像なので、なおさら独特の見え方がします。
なかなかここまで個性的な展示は、初めてじゃないかと。
反映されてて利用する人間の快適性とかよりも、まず設計者の思想ありきがここまでハッキリ明確になってるのが凄い。
ここが一番、インパクトありました。
おかげでしばらく、建物の隙間や縦横から目が離せなくなりそうです。
建築は奥が深い・・・マニアックさも美術とはまた違うマニアックさがあります。
面白いけど、着いていけるか心配w
谷中 圓朝まつり
谷中の圓朝まつりに行ってきました。
なかなかの人出で、寄席に出てる芸人さんが屋台をやってて、好きな人は楽しいでしょうね。
公式ガイドや団扇にサインもらいまくってる人がいたけど、嬉しいんでしょう。
祭り自体は、2002年から今の形になったようなので、新しい祭りではありますね。
もともとは噺家の方たちで、三遊亭圓朝の命日におこなう法事だったようで、奉納落語も師匠に奉納するので真面目というか、案外、地味な祭りだったのかもしれません。
それがファン感謝イベントになって、今のお祭りになって昔からのファンにとっては、だいぶ変わっちゃったなって印象かもしれません。
自分は知らなかったんですが、会場の全生庵は幽霊画が有名だったんですね。
祭りにあわせて幽霊画展をやってたので、見てきました。
顔や体が崩れた幽霊!って分かりやすいのもあれば、普通の女性画?と思えるものもあり、一口に幽霊画といってもバリエーション豊かです。
怖いというよりグロテスクだったり、愛嬌があったり・・・輪郭だけで描かれてたりと、画家がイメージをどう表現するかいろいろ工夫してるのが感じられます。
正直、色使いは抑え気味になるし、水墨画の山水画や人物画みたいなダイナミックさや存在感はないけど、個性の豊かさは十分すぎるくらいありますw
浮世絵の幽霊画と比べると、また、面白いと思います。
ちょうど、昼間のイベントやってたので、つい写真を撮ってしまったんですが・・・
こう凄い手作り感が、ホッとして楽しめます。
正直、TVなんかでやってるパンチの効いたお笑いが好きな方には、全く刺激が足りないと思うけど、寄席よりもさらにフランクで、適当になったところが魅力じゃないでしょうか。
学芸会というか、ある種の微笑ましさがあります。
そんなお笑いを求めるようになったとは、小坊主も年をとったせいかもしれませんw
全生庵方面は、情報がなかったので相も変わらず散歩の達人を活用です。
あと、一部で流行ってるらしい江戸東京散歩・・・こっちも活用しました。
といっても、こっちは本当に街を歩きながら江戸時代と今の変わりようを確かめながら~ってスタイルなので、ややマニア向けになるのかな?w
少し位置がズレてる部分もあるけど、江戸時代の地図と比べながらあるくと面白い!
谷中霊園は本当は池だったっぽいな~とか、武家屋敷があったところが東大になってるので、江戸から明治~大正~昭和とかけて何があったか、想像したりする楽しみがあります。
街歩きに興味ある、紳士淑女にお勧めいたしますw
基本、ウィンドウショッピングとかあまりしないし、目的もなく歩くの嫌いなんで、反対にこういう楽しみがあると散歩も楽しくなりますね~
習作 皿
新作です。
今回は赤津貫入という土で作ってみました。
これまでは、赤土、白土で成型しやすい固めの土で作ってきたんですが、絵付けにチャレンジしてみたくて絵付けの出来るこの土を選んでみました。
赤土・白土よりは、柔らかくて成型に注意が必要らしいけど、今回はタタラでの皿にしたので、そこまで注意しなくても問題なかったです。
磁器ほど硬くなく成型しやすいけど、出来上がりの色は磁器に近い白さが出るようです。
今回は実験ってことで、いろいろ試してみたんですがなかなか微妙な出来栄えになってしまいましたw
上の皿は本当は、織部釉を吹き付けて全体的にうっすらと緑が広がるのを考えてたんですが、織部釉がほとんど映らないという結果になってしまいました。
ん~、原因は不明です。
ま、出来上がりまで結果が分からなくて思ったとおりにならないのも陶芸の面白みだと思うので、次こそ吹き付けを上手くやって出来上がりを楽しんでみたいと思います。
下のは、絵具で絵を描こうと思ったけど、そもそも画題を考えてなくて、夏だしな~なんてそのまま一気に絵具を乗せてしまった結果、こうなりました・・・
全くもって絵心のなさに恥じ入るばかりです
試してみたかったのが、赤の色合いが絵具でどうかわるのかです。
赤とピンク系を使ってみたんですが、ピンク系がそれほど鮮やかに出ませんでしたね。
後は青が思ったより強く出ました。
白地にこれだけ、強い青が出るとデザインによっては重くなってしまうので、案外、使い道が難しそうです。
今は同じ赤津貫入で、小鉢を作成中。
小鉢はまた、吹きつけと絵付けにチャレンジして、今度こそデザインを頑張ってみたいですね。
基本は鮮やかな色使いを目指したいですね。
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