森下~門前仲町、新年の深川七福神めぐり@散策② 完走 江戸名所百景(広重)と切絵図とともに

 毎年の恒例?七福神めぐりということで、今年は深川七福神めぐり(森下~門前仲町)へ行きました。


 七福神のルートマップは、こちらです(深川七福神の公式サイトより)


 ルート順は、こちらです。
森下駅(都営大江戸線・新宿線)
    ↓
深川神明宮 【寿老神】
    ↓
芭蕉記念館、史跡展望庭園
    ↓
A:旧新大橋碑【江戸名所百景(大はしあたけの夕立)】
    ↓
B:萬年橋【江戸名所百景(深川万年橋)】
    ↓
深川稲荷神社 【布袋尊】
    ↓
清住庭園
    ↓
霊厳寺【松平定信の墓(国史跡)】
    ↓
龍光院 【毘沙門天】
    ↓
圓珠院 【大黒天】
    ↓
冬木弁天堂 【弁財天】
    ↓
心行寺 【福禄寿】
    ↓
C:三十三間堂跡【江戸名所百景(深川三十三間堂)】
    ↓
富岡八幡宮 【恵比須神】、横綱力士碑
    ↓
D:永代寺【江戸名所百景(深川八まん山ひらき)】
    ↓
深川不動尊

 江戸時代の絵地図でも見てみましょう。
国立国会図書館より転載




 深川七福神では、15日まで御開帳があるようです。見ていると町内会で運営されているような七福神もあったようなので、期間限定なのかもしれません。
 御朱印と色紙をやっている人は何人かいましたが、福笹は見ませんでした。
 七福神めぐりのコースには、このオレンジの幟が立てられているので、自分がコースから外れていないか分かりやすくなっています。
 正月3ヶ日を外していったので、大きな混雑はなかったのですが、森下駅では七福神めぐりをするグループがいくつもできていて、人気あるのがよく分かりました。
 3ヶ日の頃は、もっと混雑していると思います。
 まず、深川神明宮の『寿老神』へ。
 参拝はそれほど並んでいないので、サクッとこなせました。御朱印は、ちょっと混雑しています。


 深川神明宮から、西の隅田川方面へ『芭蕉記念館』へ向かいます。
記念館の外観
記念館の庭園
 記念館に入館するには、200円かかります。入ってみても良かったのですが、時間が少ないので、今回はパス。無料で入れる庭園のみ散策しました。
 小さな回遊式の庭園になっていて、奥には芭蕉の像と詩の投函箱があります。投函箱には、結構な投書があり、ここまで来て投函する人のいることに驚きます。
史跡展望庭園の芭蕉像
 芭蕉記念館から萬年橋方面へ向かう途中に、『史跡展望庭園』があり、なかなか眺めの良いところです。
正木稲荷神社
芭蕉稲荷神社
 『史跡展望庭園』の近隣には、『正木稲荷神社』と『芭蕉稲荷神社』があります。
 『正木稲荷神社』はおできの神様とかかれてましたが、たぶんお祈りすればおできを直すご利益があるんでしょう。
 おできの神様とはじめて見たので、『ほほぅ』と周辺をウロウロしてしまいました。
深川稲荷神社
 『萬年橋』を経由して、深川稲荷神社の『布袋尊』へ。こちらは、参拝に行列ができていて混んでいました。
 ここからは、『清澄庭園』は歩いてすぐです。
 今回は清澄庭園をパスして、霊厳寺へ向かいます。



松平定信 墓
 絵地図で見ると、清澄白河周辺はこの『霊厳寺』と『浄心寺』の敷地が際立って広いです。
 境内には『松平定信の墓』をはじめ、大名の墓も多くあるようです。
 江戸六地蔵にも入っているようで、大きな銅製の地蔵がありました。
 今も境内は広く、開放感ある寺院です。
龍光院
 『霊厳寺』を後にして、龍光院の『毘沙門天』へ。
 説明書きにありますが、もともとは近隣の霊光院に由来ある寺院のようです。
 絵地図にも霊光院がありますが、移転したり名前が変わったり、いろいろと経緯を調べると面白いかもしれません。
円珠院
 円珠院の『大黒天』は、すぐ近くです。
 近隣には、コーヒーで有名な『ブルーボトルコーヒー』『Arise』があります。
 ブルーボトルコーヒーは、今も入店待ちの行列ができていますね。
 Ariseでコーヒーを飲みましたが、ワインテイストの珈琲豆があったり、飲み比べると違いがよく分かります。小さいお店ですが、楽しめると思います。
冬木弁天堂

銭洗いの井戸?
 冬木弁天堂の『弁財天』へ向かいます。
 由来が分からないのですが、こちらには銭洗いの井戸がありました。洗っている人は、あまりいなかったですが。
 下見で来たときは水が出ていなかったので、銭を洗えるのも限られた期間なのかもしれません。
心行寺
 真行寺の『福禄寿』へ。
 福禄寿の大きな石像があります。近くには『えんま堂』もあり、絵地図では寺院通りみたいになっていますね。
富岡八幡宮の横綱力士碑
 三十三間堂跡を経由して、富岡八幡宮へ。
 富岡八幡宮の裏地に、『横綱力士碑』があります。
 碑の裏面をぐるっと回ることができるのですが、石碑の裏面には、横綱など力士の名前が刻まれています。
 なかなか見ごたえのある碑なので、お勧めです。
富岡八幡宮 恵比須神
 富岡八幡宮の境内にある『恵比須神』へ参拝し、七福神めぐりは完結です。
 各七福神で色紙に印をもらうと、こんな形で色紙が完成します。
 一年の幸運を祈り、室内に奉っておくと明るい気分になれそうです。

深川不動尊
 深川不動尊の近くの『永代寺』へ参拝した後、深川不動尊へ。
 内部でちょうど護摩行をやっていたので、拝見。
 この深川不動尊の中は、いつ入ってもすごい造りをしていますね。
 ホログラフ仏像?なんてものもあり、ハイテク寺院という印象があります。

 あちこちと寄り道をしたので、10時から16時ごろまでかかってしまいました。
 七福神めぐりのみを一気に回るのであれば、2~3時間で巡ることができるでしょう。
 日本橋七福神ほど混雑もしていなかったので、3ヶ日をはずせば、のんびりと散策がてら七福神めぐりを楽しむことができると思います。
 終了地点を富岡八幡宮にしておけば、終わった後に一杯するにも困りません。

 清澄庭園の周辺では、寺院をはじめ『深川江戸資料館』も、江戸の町を再現した展示があり、なかなかよくできた資料館です。
 東京都現代美術館にも歩いて行けますし、コースとしては観光ポイントも十分ある魅力的なコースです。




<参考図書>
広重の大江戸名所百景散歩


もち歩き 江戸東京散歩(切絵図・現代図で歩く)

森下~門前仲町、新年の深川七福神めぐり@散策① 江戸名所百景(広重)と切絵図とともに

 毎年の恒例?七福神めぐりということで、今年は深川七福神めぐり(森下~門前仲町)へ行きました。


 七福神のルートマップは、こちらです(深川七福神の公式サイトより)


 ルート順は、こちらです。
森下駅(都営大江戸線・新宿線)
    ↓
深川神明宮 【寿老神】
    ↓
芭蕉記念館、史跡展望庭園
    ↓
A:旧新大橋碑【江戸名所百景(大はしあたけの夕立)】
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B:萬年橋【江戸名所百景(深川万年橋)】
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深川稲荷神社 【布袋尊】
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清住庭園
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霊厳寺【松平定信の墓(国史跡)】
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龍光院 【毘沙門天】
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圓珠院 【大黒天】
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冬木弁天堂 【弁財天】
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心行寺 【福禄寿】
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C:三十三間堂跡【江戸名所百景(深川三十三間堂)】
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富岡八幡宮 【恵比須神】、横綱力士碑
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D:永代寺【江戸名所百景(深川八まん山ひらき)】
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深川不動尊

 江戸時代の絵地図でも見てみましょう。
国立国会図書館より転載
 絵地図での【A】~【D】は、歌川広重の江戸名所百景で描かれているポイントになります。
 絵地図をみて印象的なのは、富岡八幡宮の周辺から右側の木場まで、堀で囲まれて水運の街だったことがよく分かります。
 江戸は至る所に船を通し、水運の発達した街だったといわれますが、絵地図でも縦横に堀が走っていて、このままの堀が残っていればイタリアのベネチアとまでは言わないまでも、雰囲気ある街並みになっただろうなぁと想像します。
 関東大震災や空襲で破壊されたところから復興していく中で、開発を進めていかなければならなかったので仕方ないんでしょうが、ちょっと残念です。
 とりあえず、今回は深川七福神めぐりに合わせて見ていった江戸名所百景のポイントを挙げてみます。




 A:江戸名所百景(大はしあたけの夕立)
 かつては萬年橋の近くに『新大橋』が、かかっていました。現在の新大橋は、森下駅からの新大橋通りにつながっていて、絵地図の場所からは北に移動しています。
 両国橋が旧名『大橋』であったことから、『新大橋』と名付けられたものです。
 『新大橋』があったと思われる場所には、『旧新大橋跡』の碑が立っていますが、道路脇にポツンと置かれているだけなので、普通にあるいていると見落としてしまいそうなくらいです。 

B:江戸名所百景(深川万年橋)
 絵地図にも万年橋とかかれている深川万年橋を描いたものですが、昔はここから富士山が見えたのでしょうね。
 葛飾北斎も『深川万年橋下』で、万年橋と富士山を描いています。
 歌川広重の『万年橋』では、欄干からの切り取った構図で亀が印象的です。
 『鶴は千年、亀は万年』ということで、万年にちなんだ亀を描いているのですが、コジャレた感じがしますね(笑
 江戸時代では放生会という生き物を買って、放してあげるというイベントがあったそうですが、富岡八幡宮でも行われていたようです。
 昔の人は、『万年橋』にかけた亀と富岡八幡宮の放生会での亀のつながりにピンときたのでしょうが、分かる人が見れば分かるポイントを所々に取り込むセンスに広重の商売上手を感じます(笑
 こちらが、今の『萬年橋』。
 鉄骨のアーチが、印象的な橋です。
 左手には小名木川の水門もありますし、松尾芭蕉にちなんだ史跡展望庭園や松尾芭蕉記念館もあり、見どころあるポイントです。

C:江戸名所百景(深川三十三間堂)
 京都の三十三間堂と同じく通し矢が行われていた場所です。
 絵地図にも三十三間堂とありますが、当初は浅草の方にあったものが焼失し、富岡八幡宮の方へ移転してきたものです。
 絵地図だと三十三間堂のすぐ前は、堀になっています。広重の浮世絵でも堀が描かれていますし、今の道路前に堀があったのかと想像すると、景観の変化に歴史を感じます。

D:江戸名所百景(深川八まん山ひらき)
 絵地図では富岡八幡宮の敷地内に、『永代寺』とかかれています。
 八幡宮では管理のための別当寺があったそうで、富岡八幡宮では『永代寺』がその役割を果たしていました。
 この『深川八まん山ひらき』は、『永代寺』の庭を描いたもので、今の姿からは想像もできない立派な庭があったようです。
 池に人造の富士山もあったようなので、深川八幡宮の土地は、よほど良く整備されていたんだなということと、それだけ信者も多く信仰されていたのかと想像します。
 こちらが今の『永代寺』ですが、参道の奥には『深川不動尊』があります。

 絵地図は江戸の後期頃のものだと思いますが、『深川不動尊』は名前も出てきていません。
 深川不動尊のサイトによると、元禄16年(1703年)に永代寺で成田山の出開帳が行われ、明治14年(1881年)に今の場所にお堂ができたようです。
 深川不動尊ができるまでに、富岡八幡宮エリアの土地がどう処理されていったのか?とか、経緯を考えるとなかなか面白いです。

 次の『深川七福神めぐり@散策②』で、実際の散策の記録を挙げていきます。




<参考図書>
広重の大江戸名所百景散歩


もち歩き 江戸東京散歩(切絵図・現代図で歩く)

安田靫彦展 歴史画のロマン、日本画の古典美、一堂に@東京国立近代美術館

安田靫彦展

会場:東京国立近代美術館
会期:2016年3月23日(水)~5月15日(日)

展覧会チラシ