展覧会レビュー、バラエティに富んだ秀逸なコレクション『フィリップス・コレクション展』@三菱一号館美術館


概要

展 示:フィリップス・コレクション展
鑑賞日:2018年11月
場 所:三菱一号館美術館

評価

混み具合  辛い/1・2・3・④・5/快適
作品の数 少ない/1・2・3・④・5/多い
面 白 さ   退屈/1・2・3・4・⑤/面白い


構成

1 1910年代後半から1920年代
2 1928年代の蒐集
3 1930年代
4 1940年前後の蒐集
5 第二次世界大戦後①~②
6 ドライヤー・コレクションの受け入れと晩年の蒐集
7 ダンカン・フィリップスの遺志

感想

・近代の画家(モネ、クールベ、モリゾなど)が多く、とてもバラエティに富んだ作品群で見ていて色々な変化があり飽きなかった。
それぞれの画家をフィリップスが評価し、評価と合致する作品を蒐集していたと解説にあった。画家の代表作と言われる作品を蒐集していたのではなく、自身のギャラリーにあう作品、他の蒐集品とのバランスも考えながらコレクションしていったものらしく、よく名前を目にする画家でも見たことのない作品が多くあった。
フィリップスは、同じ画家でも自分のコレクションの『質』を考え、作品の買い替えを行っていたとのこと。
フィリップスの蒐集方針・判断基準について、あまり解説はなかった。見る人が自分で感じ取る、考えるよう促されたのかもしれない。
蒐集家にとってコレクションの『質』とは何か?を考えるいい機会になった。
自分の気に入った作品を無造作に蒐集していくことがコレクションなのか、蒐集をとおして自分の価値感・美意識と向き合い、1つの世界を造っていくのか・・どちらにしろ、膨大な金と時間と意欲が必要な世界。
どれも不足している小坊主には、縁遠い世界ということがよく分かった(笑)

今回の一品(お気に入り)

カンディンスキー『連続』
文字?のデザインは色彩が鮮やかで生っぽさを感じるが、それぞれの配置は均質で統一感がある。
デザインの生っぽさといい、色使いといい、小坊主の陶芸にも取り入れてみたくなる独特の魅力を感じた。

チラシ