展覧会レビュー、毎年の恒例行事、世界を見つつ自分を振り返る『世界報道写真展2018』


概要

展 示:世界報道写真2018
鑑賞日:2018年7月
場 所:東京都写真美術館
https://www.worldpressphoto.org/collection/photo/2018/contemporary-issues/jesco-denzel

評価

混み具合  辛い/1・2・3・④・5/快適
作品の数 少ない/1・2・③・4・5/多い
面 白 さ   退屈/1・2・3・④・5/面白い


構成

①人々の部
②自然の部
③環境の部
④一般ニュースの部
⑤スポーツの部

感想

Art倶楽部で定例鑑賞会を始めてからほぼ毎年、鑑賞しています。
紛争地域での報道写真は、例年通り痛ましい写真もあるが強く印象にのこる作品はなかった。

興味を惹かれた作品は、こちら。
<中国中部地域の黄土高原で山腹に横穴を開けて住む二人の兄弟。住居は、「ヤオトン」(横穴式洞窟住居)というもの。兄弟は独身で人生の大半をこの「ヤオトン」で生活してきた>

<中国では、所得水準が急上昇し人々の食生活が変化。食肉、酪農、加工食品の需要が増大>

同じ国内であまりにも違う生活スタイルに、ショックを受けた。
生活者の年代が異なっているせいもあるだろうが、これは『格差』なのか『地方と都市の文化の違い』なのか・・
写っている人達の笑顔の違いも印象に残る
ヤオトンに生活する兄弟は貧しいと思うが、笑顔に穏やかさを感じた。
都市で現代生活を満喫するカップルは、互いに自分のスマホを見ていて同じ場所にいながら、何か共有しているのだろうか?とも思う。
ヤオトンと都市のどちらが良いか悪いかということではなく、ここまで中身に違いがあると世界観も共有できないだろうということがよく分かる。
中国は近代化の真っ最中と思うが、国民同士の世界観の『格差』を縮めていけるのだろうか?

映像作品として、朝日新聞が編集した福島の帰宅困難地域での記録映像があった。
映像としては、季節の移り変わりや人々の日常も美しくとらえられていたが、編集しすぎと感じた。
もっと、ドキュメンタリーで淡々と人が住まなくなった地域が、ツタなどの植物に飲み込まれていく姿を記録として映す構成の方が魅力ある作品になったと思う。
こちらの映像を再編集したものでした


今回の一品(お気に入り)

ガラパゴス諸島
夜空の星も印象的、ゾウガメに重厚感がありカッコイイ

チラシ