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深く広く、いろいろ衝撃!『世界盆栽大会2017』へいってみた

気になっていた『第8回 世界盆栽大会2017inさいたま』へ行ってみました。

 世界盆栽大会は、1989年、第1回をさいたま市で始まり、4年ごとに世界各地で開催されてきたものです。
 日本での開催は、28年ぶりというロングイベントです。

 小坊主は、個人的に小品盆栽で始めた「モミジ」を大きく育てようとしているのですが、さすが世界大会で展示される盆栽は迫力があります。
 会場入口に展示されていた作品は、銘「飛龍」という樹齢がたぶん千年というものらしく、時間の感覚がよく分からなくなる立派なものでした。
 盆栽というと『松』というイメージがあって、確かに『松』の作品はたくさんありました。
 ただ、『松』だとだんだん飽きてきてしまうところもあり、小坊主は中型や小品盆栽に魅力を感じました。
 小品盆栽は、大きさで存在感を出せない分、『曲げ』や『色合い』、『容姿』で品とオーラを表現しなければならないので、いろいろと個性ある作品が多くあります。
 なかなか奥深い盆栽の世界、小坊主の興味がどこまで続くか分かりませんが、もう少し楽しんでみたいと思っています。

<盆栽の世界を垣間みてください>















展覧会レビュー、まさに奇想というに相応しい独自世界のある雪村展@東京藝術大学美術館、展覧会

示:雪村 奇想の誕生
鑑賞日:2017年4月
場 所:東京藝術大学美術館


・ほぼ水墨画のみの展示で色はないが、初期の仏画から山水図・人物画に花鳥図と、どれも画風豊かでバラエティに富んでいて飽きがこない
・何点かの瀟湘八景図が展示されているが、描きこみの少ないサラッとした筆致であっさり目な印象のものが多い。中でも正木美術館所蔵の瀟湘八景図巻が、シンプルながら線の表現が力強くもあり印象に残る
・狩野派や明治からの近代日本画で雪村の見直しが進んでいたことを知らず、影響のつながりを理解できてタメになった
・人物の描き方は、山水図でかなり縮小して隅に配置したり、人物をメインに描くときはど真ん中で溢れんばかりの存在感を与えるメリハリがある
・解説でも雪村の画風には、のびやかさ・自由さがあると書かれていたが、型にはまらない心象を描いた作品が多く、独自の世界がある
・人物を描くときも、上へ上へと登っていく構図がいろいろな作品に一貫していて面白い

○今回の一品(お気に入り) 騎驢図
*瀟湘八景図巻がポスターカードもなく画像もないため、2番手で気に入った騎驢図を今回の一品とする

○チラシ




展覧会レビュー、仕事をえらばず動物も妖怪も仏も山水画もなんでも描く『これぞ暁斎!』展@渋谷ブンカムラ

展 示:これぞ暁斎!展
鑑賞日:2017年3月
場 所:渋谷ブンカムラ

・イスラエルーゴールドマンという個人コレクションによる展覧会。日本人より欧米人が画家の価値を発見して、蒐集していくよくあるパターン。
展示数も小作品から大きめのものまで184点と、なかなかのボリュームあり。
・けっこう混雑していて、外国人も多かった
・動物から鬼や幽霊、仏画に山水画、春画までとジャンルをとわずに何でも描いている。動きに奇抜さのある作品もあれば、仏画や山水画のように技術的に確かな作品もあり、とてもバラエティに富んだ画風。
動物たちや妖怪たちにもユーモアがあり、ゴールドマン氏が暁斎は楽しい!という理由も分かる。
・画鬼と自称して晩年まで画力を高める努力を続けた姿には、画狂老人と自称した北斎にも通じるものを感じた。

○今回の一品(お気に入り)
『鬼を蹴り上げる鍾馗』

○チラシ



展覧会レビュー、江戸も北京も絵巻で見る都市生活は、とても楽しそう『江戸と北京』展@江戸東京博物館

ブロガー内覧会に当選し、今回は江戸東京博物館で開催中の『江戸と北京 18世紀の都市と暮らし』展へ行きました。

展 示:江戸と北京展 
鑑賞日:2017年3月
場 所:江戸東京博物館


・江戸と北京、どちらも18世紀に反映した大都市。そんな都市での生活をそれぞれの年中行事や服装、仕事や遊びなどの比較を見ていける展覧会となっている
・見どころは、乾隆帝80歳の式典に賑わう北京の風景を描く『乾隆八旬万寿慶典図巻』と神田今川橋から日本橋までを描く『熈代勝覧(きだいしょうらん)』
 どちらも12m近くもある長い絵巻物で、どちらも保存状態がとてもよく色鮮やかに当時の都市生活を垣間見ることができる
 『乾隆八旬万寿慶典図巻』は、皇帝の祝いの日のためか同じ服装が多く、建物に個性がでている。絵巻のなかには像などもでていて、国際色が豊か
 『熈代勝覧(きだいしょうらん)』は、江戸一番の商業ストリートを描いていて、人々の服装や動きに個性があるが、建物は長屋的な統一感がある
 どの都市も活気があり、あかるい活力が感じられる良い絵巻物で、何度も往復して鑑賞した。
・他の家や正月の祝い方、趣味の世界や子供の世界もバラエティに富んでいて、やっていることは変わらないのに表現や楽しみ方に、相互の文化の違いが見て取れて興味深い。
・映像コーナーの都市を描いたCGでの解説も、なかなか見どころが多い

○今回の一品(お気に入り)
『乾隆八旬万寿慶典図巻』


『熈代勝覧(きだいしょうらん)』

*写真は、美術館より特別に撮影の許可を得たものです

○チラシ







展覧会レビュー、美女3連星が見もの『ティツィアーノとヴェネツィア派』展@東京都美術館

展 示:ティツィアーノとヴェネツィア派 
鑑賞日:2017年2月
場 所: 東京都美術館


・予想に反してぜんぜん混んでいなくて、ジックリと鑑賞ができた。
・1500年代初期の『聖母子』などは、表情も乏しく背景も描写力が未熟でカクカクしたポリゴンのよう
ティツィアーノからは表情も豊かになり、描写も細やかになっていった。
・ベルナルディーノ『裸婦』、ティツィアーノ『ダナエ』、ティントレット『レダと白鳥』が並びで展示されていて、それぞれの個性を比較していくのが楽しい。
ベルナルディーノ『裸婦』は、肌の質感が他の2つとまったく違った色遣いで、現代的な雰囲気。古臭さも感じられず、インパクトがある。
描かれる女性としては、ティントレット『レダと白鳥』は美人だが若さ?ゆえの固さを感じた。
ティツィアーノ『ダナエ』は少し年増感があるが、包容力ある雰囲気があり魅力がある。ただ、ダナエのインパクトは、クリムトの方が印象的
・作品の質で言うと、一押しは、ヴェロネーゼ『聖家族と聖バルバラ、幼い洗礼者聖ヨハネ』が古典的な作風ながら人物の配置や色遣いともにもっともバランスが取れていて、存在感と気品の感じられる名品

○今回の一品(お気に入り)
ヴェロネーゼ『聖家族と聖バルバラ、幼い洗礼者聖ヨハネ』

○チラシ






展覧会レビュー、保存状態が素晴らしい『二条城行幸図屏風』に新鮮な驚きを感じた『屏風にあそぶ春のしつらえ』展@泉屋博古館

展 示:屏風にあそぶ春のしつらえー茶道具とおもてなしのうつわ 
鑑賞日:2017年2月
場 所:泉屋博古館
 

・ブロガー内覧会に当選したため泉屋博古館を初訪問。小さな美術館だけど、展示品の質は良いモノが多かった。
・香炉や茶器などの小物も多かったが、屏風の『二条城行幸図屏風』が迫力ある大きさで、色も鮮やかな大作だった。
作者は不明らしいが、保存状態が素晴らしく行列を眺める人物たちの衣装の細やかさや色合いもシッカリしており、細部を見ていくと時間があっという間に過ぎていく。
・香田勝太の作品『春秋草花図のうち春』を初めて見ることができたが、日本画を油彩で描いており、説明されるまで油彩ということが分からなかった。
・菊池容斎の桜図も、正面に立派な桜が描かれているが軽やかな雰囲気のある魅力ある絵だった。

○今回の一品(お気に入り)
『二条城行幸図屏風』
*画像については、美術館より特別に撮影の許可を得たものです

○チラシ



展覧会レビュー、光源氏がやりたい放題な概略を教えてくれた『岩佐又兵衛と源氏絵』展@出光美術館

展  示:岩佐又兵衛と源氏絵
鑑賞日:2017年1月
場  所:出光美術館

・展示数は37点と少なめだが、ほぼ源氏物語に関するもので、下地がないと辛い。
・いろいろな場面を一枚の屏風に並べて配置していく源氏絵は、珍しかった。
 後半に各場面を説明してくれるパネルがあり、光源氏の没後の内容まで、概略が分かった。
・俵屋宗達の源氏絵は、表情があまりに適当に見えて二度見してしまう(顔が点と線にしか見えなかった)
・瀟湘八景図は、等伯の印象をよく覚えているためか、ボヤッとした印象。
・2周したが、源氏絵ばかり見ていたためか、山水図にホッとする。そのため、「職人尽図巻」と悩むが、「四季耕作図屏風」をお気に入りとする。

○今回の一品(お気に入り)
『四季耕作図屏風』

〇チラシ


展覧会レビュー、建物の形がよく分からない墨田区のすみだ北斎美術館にて『北斎の帰還』展

展  示:北斎の帰還 幻の絵巻と名品コレクション
鑑賞日:2016年12月
場  所:すみだ北斎美術館


・目玉は『隅田川両岸景色図巻』で、着色された約7mもある絵巻。海外で紛失されたと思われていた幻の作品らしい。

線がシッカリしているが穏やかな色合いで、上品な雰囲気のある作品だった。
両国から吉原までの隅田川ぞいの名所が描かれている。
・美術館としては、建物の形がよく分からない形をしている。3-4Fが展示室になっているが、エレベーターでしか移動できず混雑時は、そこそこ待たされる。
・企画展、常設展ともにそこそこ粒ぞろいの作品が展示されているが、初摺りモノのような状態の素晴らしいモノはなかった。

○今回の一品(お気に入り)
『詩歌写真鏡 雪中人馬』
遠くを見やる人物の後姿に魅力を感じた



○チラシ


展覧会レビュー、裸婦を見続けてだんだんクラクラしてきたクラーナハ展@国立西洋美術館

展  示:クラーナハ 五〇〇年後の誘惑
鑑賞日:2016年12月
場  所:国立西洋美術館

・ヴィーナスは、小さな絵だが漆黒に浮かぶ裸婦が魅力的、とても存在感がある。
同じ様式の『ルクレティア』もあるが、顔の表情に違和感を覚える。
・3年の修復を終えた『ホロフェルネスの首を持つユディト』は、肌の質感や色合いがとても新鮮で、美しさが際立つ。
・全体を見ると体のアンバランスさが見えるが、妖艶な雰囲気に満ちたヴィーナスが一押し

○今回の一品(お気に入り)
『ヴィーナス』(1532年)



○チラシ







展覧会レビュー、『ポルト・リガトの聖母』が一押し、ダリ展@国立新美術館

展  示:ダリ展 ー完璧をおそれるなー
鑑賞日:2016年11月27日
場  所:国立新美術館

・展示数が250点あり、映像資料も多かった。
・初期の作品から、アメリカ時代~原爆に影響を受けた後期まで時系列に展示。
画風の変化が、分かりやすい展示だった

○今回の一品(お気に入り)
『ポルト・リガトの聖母』(1950年 福岡市美術館蔵)


○チラシ