2014年4月26日

大浮世絵展@江戸東京博物館 展覧会レビュー

 ここ最近、ランチブログしか書いていないし、忘れないうちに展覧会レビューを書いておかねば!と反省しました・・・
 1月に江戸東京博物館で開催されていた「大浮世絵展」に行ってきました。



 見どころとしては、浮世絵の傑作が大集結ということで、約340点(展示替えふくむ)もの浮世絵が集まり、浮世絵史をたどりながら多様な浮世絵を楽しむことが出来る!というものです。
 時代も浮世絵の始まった17世紀から始まり、黄金期を迎える江戸中期18世紀末、浮世絵が西洋に影響を受け、変わっていく末期?明治初期20世紀までを一気にみていくことができました。
 本当に大小様々な浮世絵が展示されていたのですが、その中から、とても印象的だった作品を見ていきたいと思います。




鈴木 晴信 「雪中相合傘」
 こちらは、鈴木晴信の「雪中相合傘」で、展示構成としては「第三章 錦絵の誕生」に展示されていました。
 雪中の静寂さ、黒と白の対比が素晴らしく、感情豊かな絵です。
一筆斎文調 墨水八景「綾瀬の夕照」
 こちらも「第三章 錦絵の誕生」に展示されていた絵で、田園風景らしい緑が鮮やかで、印象に残る作品です。

渓斎英泉 「江戸日本橋ヨリ富士ヲ見ル」
 第5章「浮世絵のさらなる展開」に展示されていた作品です。描かれる風景も良いのですが、絵の周囲に描かれている南蛮文字が目を引きます。文字との組み合わせを見たのが初めてで、中央の絵を引き立てる良い効果を発揮していると思います。
 鎖国時代だったとはいえ、まったく海外との接点がなかったわけではなく、出島を通していろいろと西洋の技術や文化が入ってきていたようです。
 当時、南蛮文字との組み合わせは、斬新なデザインだったのでしょうね。


葛飾北斎 「相州大山ろうべんの滝」
 同じく第5章「浮世絵のさらなる展開」での展示品です。神奈川の阿夫利神社のある大山にある滝を描いたものです。
 今も昔も変わらず、有名な観光地だったのですね。こちらの絵で印象的なのは、流れ落ちる滝や滝下の水の表現が素晴らしいです。
 滝に打たれる男たちも、どこか愛嬌ある感じで、明るい雰囲気が好きです。

葛飾応為 「夜桜美人図」
 こちらの絵も第5章「浮世絵のさらなる展開」に展示されていたのですが、解説を読んでビックリしました。葛飾応為は北斎の娘だそうですが、自分には描かれる絵から北斎とのつながりを全く読み取れないくらい印象が違います。
 北斎の絵には浮世絵らしいカラッとした明るさに満ちているのですが、夜明りの光の表現といい人物の情緒的な雰囲気といい、ここまでくるとほぼ西洋画のように見えてしまい浮世絵ということを忘れてしまいます。
 浮世絵にもこういった光を表現する方法があるということに、素直に感動と表現力の可能性を感じます。
葛飾応為 「吉原格子先之図」
 今回の展覧会では展示されていなかったのですが、応為にはこちらの作品もあるようです。
こちらを見ても、本当に光の表現が印象的で、とても素晴らしいと思います。現存する作品がほとんどないとらしく、とても残念です。
 当時の人々の評価が分からないのですが、長く描いていれば一時代を築けたのでは?と思ってしまいます。


山村耕花 「上海ニューカルトン所見」
 最終章の第6章「新たなるステージ」に、展示されていたものです。
 こちらは、もう大正時代の作品です。
 浮世絵というか大正ロマンの広告みたいに見えてしまうのですが、版画です。
 色の表現といい、構図といい技術の進歩に西洋の影響がハッキリみえて、時代と題材の変化が絵に与える影響の大きさを感じます。
 自分は個人的には、こういうモダンな絵は大好きです(笑
 時代的には明らかに古いのですが、骨董とまではいかず、クラシックさに品を感じることができるのです。
 今回の展覧会では、黎明期から大正までの浮世絵の流れを一気に見ていくことができたのですが、名の知られた北斎以外にもいろいろな表現に挑戦し、浮世絵の世界を開いていった作家の世界、表現の変化を見ていくことができて、とても良い展覧会でした。
 特に後半になると、女性作家がでてきて葛飾応為や山村耕花など、全く方向の違う表現がでてきたことに浮世絵の奥の深さを感じることができました。
 来年頃には、墨田区に北斎美術館ができるというので、そちらの開館も楽しみにしています。
 小坊主はまだまだ、勉強不足で大和絵・錦絵の違いも上手く理解できていないのですが、日本画の世界もベンキョーしていきたいので、今後もいろいろ分野にこだわらずに鑑賞してきたいと思っています。



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