天上の舞 飛天の美@サントリー美術館 Art倶楽部



 Art倶楽部のイベントで、「天上の舞 飛天の美」@サントリー美術館へいってきました。

混み具合   辛 い/1・2・3・④・5/快適
作品の数   少ない/1・2・③・4・5/多い
面白さ  つまらない/1・2・3・4・⑤/面白い

 仏像の中でも「飛天」という空飛ぶ天人にスポットをあてた珍しい展覧会でした。
 京都の平等院鳳凰堂の修復が来年には完了し、公開されるということで、鳳凰堂内の飛天(国宝)も展示されていました。
 飛天は空を舞いながら、歌や花で仏を讃える存在になります。
 古くはインドから、中国を経て日本に入ってきたものになりますが、ガンダーラ美術の影響が強いときは翼をもっていたり、写実性が強かったりと特徴がどんどん変わっていくのを比べることが出来ました。
 中国から日本に入るあたりで、雲や衣をまとって飛ぶようになるんですね~。
 表情もだんだん、リアル系からデフォルメ系に変わっていくというか、平たい顔になっていきます(笑
飛天像
 仏のあるところには、何らかの形で描かれたり配置されることが多いらしいですが、奈良 薬師寺の東塔水煙の模型が展示されていたのですが、これがちょっとインパクトがあって引きつけられました。
薬師寺 東塔水煙
 こんなモノが東塔の天辺に配置されているとは知らず、飛天も頭を下にして配置されているのに驚きました。
 仏を讃嘆する存在ですから、足を仏に向けるわけにもいかず、頭を逆さにすることになるんでしょうね。
 讃嘆することの表現について、考えさせられます。
 配置の仕方そのものから、讃嘆することを表現しなければならないので、飛天というものと讃嘆することの意味をよく理解していないと、こういう配置の仕方にはならないんだろうなと感じました。
 今回の目玉の一つが、平等院鳳凰堂 阿弥陀如来坐像の光背に配置されている飛天(国宝)と、鳳凰堂内の壁に配置されている菩薩像(国宝)になります。
菩薩像
飛天像

 どちらも平等院鳳凰堂の修復が終わった際には、保管されたりするんでしょうし、ここまで間近で見られる機会はもうないのではないと思いますので、貴重です。

 修復後の平等院鳳凰堂内には、模刻した代替品が展示されることになっています。
 今回の展覧会では、修復後の平等院鳳凰堂内に配置される菩薩像をお触りできる展示もされていました。
 実物に触れられる展示で、さらに展示品が実際の建物等に配置されるというのは、これまでなかったので、とても興味をそそられました。
 仏と縁を結ぶ「結縁」という形で、展示されていましたが、これはなかなか記憶に残る素晴らしい展示です。
 平等院鳳凰堂の修復が終われば、建物自体も色鮮やかに変わり、極楽浄土を表現しようとした平等院鳳凰堂のより実際の姿に近いものを拝観することが出来るようになります。
 いずれ、修復が終わった平等院鳳凰堂には行ってみたいと思っているので、その時にはあれがあの時に結縁した菩薩像だ!と、より興味深く拝観することができます。
 ここ数年、京都には全く行けていないので、修復が終わった際には、ぜひ、一度、平等院鳳凰堂に行くことを心に誓いました。
 正直、さほど期待していなかっただけに、いろいろと趣向を凝らした展示も多く、とても面白い展覧会でした。
 鑑賞に来る人も、そんなにいないんじゃないかと思ってたんですが、午前中からそこそこ入っていたので、単なる仏像とはポイントを変えた展覧会だったということも人の興味を引いたのかもしれませんね。

梅雨小袖昔八丈(一幕見席)@歌舞伎座 Art倶楽部

 Art倶楽部のイベントで、歌舞伎鑑賞に行った時の記録です。

 新しい歌舞伎座が開場されたということで、新歌舞伎座の見学もかねて、「一幕見席」での鑑賞に行ってきました。
今回の鑑賞する演目は、「梅雨小袖昔八丈」になります。梅雨小袖昔八丈の物語ですが、手元の「歌舞伎手帖」によると、「髪結新三=梅雨小袖昔八丈」となっていて、だいたい以下のようになっています。
<あらすじ>
 材木屋白子屋の一人娘「お熊」と、手代の「忠七」は恋仲です。傾いた家のためお熊は、婿を取ることになり、悩む二人の前に髪結を仕事としている「新三」が現れ、二人をそそのかして「お熊」を連れ出してしまいます。
 だまされた「忠七」は、「源七」という親分に頼み、「お熊」を取り戻そうとしますが、「源七」は「新三」にやり込められてしまいます。
 話を聞いた「新三」の住む長屋の大家「長兵衛」が間に入り、「お熊」を取り戻そうとします。

 この「長兵衛」が「新三」より上手の業突く張りで、上手いこと「新三」から「お熊」を取り戻したうえ、「新三」が受け取るはずの「お熊」の見受け金の上前をはねてしまいます。
 「新三」は結局、やりこめた「源七」の恨みをかい殺されてしまい、「源七」は大岡越前の裁きを受ける。
 この「新三」と「長兵衛」のやり取りが、悪党同士の駆け引きと下町の風情が活き活きと表現されていて、とても小気味よく笑えます。
 今回の公演では、最後の大岡越前まではいかなかったので、途中で終わるのか~と感じた参加者もいたのですが、小坊主はとても楽しめました。
 さて、「一幕見席」についてですが、改修前の歌舞伎座でも何度か利用したことがあります。
 改修後の歌舞伎座でも、「一幕見席」のシステムを残してくれて、とても嬉しかったのですが、以前とはシステムも少し変わったようです。


一幕見席 チケット
 以前の「一幕見席」では、開演前にチケット売り場前に並び、チケット購入の順番で鑑賞席に入っていきました。
 しかし、今回からはチケットの販売時間と、演目の開演時間に1時間ほどの空きがありました。
 新しい「一幕見席」チケットには、入場番号が入っています。
 時間になると鑑賞席の入り口前に、入場番号順に並んで、入場番号の早い人から自由に席を選べるようになっていました。
 前よりもだいぶ厳しくなったというか、キチンと管理する体制になったなという印象です。
 今回はチケット販売前の1時間半前からチケット売り場前に並んでいたのですが、ちゃんと早めに並んだ分だけ、自由に席を選べるチャンスが多くなるので、並ぶだけの甲斐があると感じました。




 チケット入手から開演まで時間があったので、新歌舞伎座の中を入れるところまでですが、散策してみました。
 改修前の歌舞伎座の模型や歌舞伎俳優の写真などが展示されていて、屋上の庭園は大したことなかったですが、時間つぶしには十分でした。
 以前の歌舞伎座を比べると、ビルと一体型になっているので、だいぶ大きくなったなという印象です。
 「一幕見席」への行き方も、急な階段からエレベーターに変わりましたし、いろいろと近代化されています(笑
 「一幕見席」から舞台をみた印象ですが、席数を増やした割には、見難いということもありませんでした。
 3階席からの鑑賞なので、遠いのは仕方ないのですが、オペラグラスを持って行っていたので、気にせず楽しめました。
 改修前から「一幕見席」を専門に歌舞伎を見ていたので、以前と大きく変わらない形で歌舞伎座を利用できることが確かめられて、十分な収穫がありました。
 
 「一幕見席」のチケット販売時間などは、「歌舞伎美人」のサイトから、確認することが出来ます。
 サイト内の公演情報 ⇒ 歌舞伎座 ⇒ 各月の演目の中から、チケット詳細の箇所に「幕見席」についてのリンクがあります。
 そこから、チケット販売の開始時間と金額が分かります。ただ、「幕見席」の情報がチケット詳細の箇所に追加されるのは、当月の演目が上演初日を迎えてからになるそうです。
 歌舞伎座に問い合わせてみたところ、上演初日を迎えないと、各演目にどれだけの時間がかかり、「幕見席」のチケットを販売できる時間が計算できないという回答でした。
 そのため、「歌舞伎美人」のHPを確認するタイミングによっては、チケット詳細の箇所に「幕見席」についての記載のないことがありますので、気を付けてください。


散策 明治神宮外苑-新宿御苑@Art倶楽部

 ちょっと前のイベントですが、Art倶楽部で散策に行ってきました。
 今回の散策コースは、明治神宮外苑~聖徳記念絵画館~ギャラリー~新宿御苑までを回りました。


 10時から開始して、ランチも含めて終わりが15時ごろということで、5時間程度の散策になりました。
散策のモデルコース
明治神宮外苑のイチョウは、まだまだ、色づきが進んでいなかったのですが、それでも十分に秋の景色を楽しむことが出来ました。
 なんか24時間マラソンみたいなイベントが開催されてて驚きましたが、みんな写真を撮ったり散歩したりと、思い思いに過ごしていて公園って良いなぁと思うようになってしまいました。

イチョウ並木
 聖徳記念絵画館が明治神宮外苑にあるのを知ってはいたのですが、これまで入る機会がなかったため、思い切って入ってみました。
 1Fのみのシンプルな展示室なのですが明治ー大正ー昭和と近代日本での皇室の描かれ方が、いろいろ変わっていく様を鑑賞できて、とても興味深いところでした。
 また、絵画の描かれた時期に、世界でほかにどんな事が起こっていたのかの説明もあり、その比較がとても面白くて、絵画のできばえとかあまり見てませんでした(笑
 日本史での出来事と、世界でのイベントが意外と同じ時期に起こっていることが分かると、その当時の社会背景など、いろいろ想像が膨らんでいきます。
 最近、もう一度、日本史・世界史を読んでみようと思い、山川出版社の「詳説 日本史B」「詳説 世界史B」の教科書を買いました。
 教科書を今になって見直すと、基本的なことが分かりやすく解説されていて、とても面白いです。
 当時、教科書を読んでいるときは、全く面白いなんて思わなかったのですが・・・後になって、いろいろと勿体ないことしていたなぁってことが、沢山ありますね(笑
聖徳記念絵画館の外観


 明治神宮外苑から、新宿御苑までの途中に玉川上水跡に関するものを見られるということで、合わせて見てきました。
 玉川上水は、江戸時代の羽村から四谷大木戸までの上水道ですが、新宿水道局の近くに史跡として「水道碑」や「四谷大木戸跡碑」についての説明書きが見られます。
 東京は、こういった江戸時代の史跡なども各地にたくさんあるので、散策していくにはネタがたくさんあって、飽きないですね!
玉川上水 説明書
水道碑

 新宿御苑までたどり着いたところで、ランチをしまして、ギャラリーでの写真展に行きました。
 行ったギャラリーは、「Place M」になります。
 写真展のテーマは、「世界を見るとはどういうことか 視覚障碍者の撮った世界」というものです。

 写真家の尾崎大輔さんが視覚障碍者の方とともに写真教室をされているということで、写真教室で撮影された写真の展示でした。
 展示の内容は、普通にカラーの写真もありましたが、特に印象的だったのは、写真を凸凹の立体写真として展示されていたものです。
 視覚障碍者の方は、点字のように手で触って写真を確認するということで、自分たちも実際に触って鑑賞することが出来ました。
 視覚障碍者の方は、触った感触を脳内で自身のイメージに作り替えていく作業を行っているのですが、その訓練を積んでいない小坊主には、まったく対応できませんでした。
 目が見えていると、人は同じ”モノ”を見て、共有している前提で人や世界とかかわっていますが、こうして別の観点からの世界とのかかわりを試す機会があると、人は同じ”モノ”を共有なんてしていないということがよく分かります。
 人はそれぞれ自分の意味づけした世界に生きていて、他の人と同じ世界はないし、比べようもないということを改めて分からせてくれるので、こういうイベントは大事だと思っています。
 なので、たまに「視覚障碍者とつくる美術鑑賞ワークショップ」に参加してみてます。
 視覚障碍者の方と美術作品を鑑賞して、感想を交換したり、説明したりするワークショップですが、いろいろ刺激になります。






 後は、普通に新宿御苑を散策して解散になりました。
 植物園にも入って広々とした公園を気の向くまま散歩しましたが、新宿御苑は本当に広い公園で、もっと暖かい時期なら1日中すごせますね。
 もっと季節ごとの花を見て回るよう、何度も来れれば良いんですが、思いついた時にしか来ていないのが勿体なくなりました。
 でも、都内にはいろいろ公園も多いので、どこに行こうか悩んでしまいますね。

最近、「マンガ 駅から歩く小さな旅 首都圏日帰り編」というネタ帳もゲットしたので、機会あればそちらのネタも散策していきたいと思ってます。




今回のネタ帳は、こちらです。




社会科見学 造幣局見学@池袋

 ちょいと昔の話ですが、わざわざ平日に休みを取って、池袋にある造幣局へ見学へ行ってみました。

あいにくの雨の日の見学となったのですが、自分以外にも数組の家族連れの方などがいて、見学者は結構いるようです。
 造幣局の見学には2つあり、工場見学と博物館の見学ができます。
 今回は2つとも見学したのですが、工場見学の場合、電話での事前予約が必要ですので、気を付けてください。



 見学の内容は、最初に造幣局での作業内容や役割などについてのビデオを見てから、工場内での研磨やデザインの調整などの各工程を説明を受けながら見学していきます。
 工場内の見学が終わった後は、博物館内を自由見学になります。
 工場内は、基本的に写真撮影が禁止ですので、ブログにアップされているのは、博物館の写真です。


七宝とは!
 造幣局では、いろんな記念硬貨を作成していて、その多くは七宝で製作されているようです。
 なので、事前にこちらの七宝の製作方法を確認してから行くと、さらに興味深く記念硬貨を見ていくことができると思います。

富山県 記念硬貨
 各都道府県のそれぞれに記念硬貨があるようで、小坊主は富山出身なのでとりあえずは、富山県の記念硬貨をチェック!しました(笑
 ここから下の写真は記念硬貨が続くのですが、どの硬貨も色が鮮やかで、とても美しい!
 機械加工されているものですが(なかには手作りのものもあり)、立派な工芸品です。
 写真3枚目のものなど、とても素晴らしいできばえで、どの硬貨を見ていても飽きません。

記念硬貨セット
ミッキーマウス 硬化セット
記念硬貨(七宝)
 記念硬貨以外にも、日常で使っている硬貨の偽造対策についての説明もあり、下の潜像加工とか全く知らなかったので、持っていた500円玉で確認してみたのですが、確かに「0」の中に「500円」の文字を確認することができました!
 確認できた瞬間、「おぉ~」と素直に感動!
 ここまで細かい偽造対策している硬貨が、ほかにあるんでしょうか?ビックリですわ~。 

0の中に500円!
 体験コーナーには、約7000万円の金の延べ棒をお触りできるコーナーもあり、下世話な小坊主はついつい「ほほぉ~」と金塊をナデナデしてしまいました。
 普通に重い!さすがに、314gの重量はとても片手では持てません。
 しかし、世界中では毎年3000tほど掘り出しているようですが、そのうち、無くなったりしないんでしょうかね?
 石油もそうですが、鉱石などを掘り出してどの程度の量を得ることが出来ているのか分かりませんが、年間数千トンも掘って資源の限界ってどう考えられているのか不思議です。
 子供のころは石油は、あと50年程度で無くなると言われていたのが、シェールオイルで石油革命だ!などと言われてますし、どうなんでしょうねぇ。

体験コーナー

金塊のお値段

金塊をゲット?
 硬貨の健康診断をしてもらえるということで、早速、試してみました。

診断機械

診断中

診断書
 機械のなかをグルグルして、500円玉が返ってきたのですが、結果は健康!
 重さや厚さとか、チェックしているんですね~。
 試したのが新しい硬貨だったので、健康なのはある意味あたりまえなので、もっと古い硬貨で試せる方は、ぜひ、試してもらいたいとおもいます。
 造幣局見学は平日しかできないというのが、難点ではありますが、機会あればぜひ一度、見学してほしいところです。
 普段、何気なく使っている硬貨がどれだけマニアックに加工されているのか、ザ・技術力!って感じで、とても楽しめます
 
お金に関する博物館などとしては、造幣局以外にもいくつかあるようなので、機会あればそちらも見学してみたいものです。
独立行政法人 国立印刷局
お札と切手の博物館

独立行政法人 造幣局
東京支局 東京都豊島区東池袋4-42-1
TEL:03-3987-3153
工場見学をする場合、上記の連絡先へ事前の申し込みが必要です。

キッチン 藤@錦糸町 ランチ

錦糸町駅 南口からすぐのレストラン「キッチン 藤」へ行ってみました。

外観はシンプルな造りで、入りやすそうな雰囲気があります。
店内も席数は多くないですが、落ち着いた雰囲気に清潔感もあり、年季の入った店にある渋さはありませんが、安心感があります。



ランチのメニューは、いたってオーソドックスなラインナップが揃っています。
値段も定食屋らしい価格設定になっています。
揚げ物が多いのが、ちょっと残念ですが。



今回は、チキンカツ定食を頼んでみました。
こちらもシンプルですね(笑
感想としては、ちょっと衣が厚かったですね。
衣が厚いと油をかじっている気がしてしまうので、あっさり目の揚げ方が好みです。


駅前でチェーン店以外の味を探しているなら、入りやすい良い店です。
場所も良いところにあるし、入りやすい雰囲気もあるので、初めてでも怖くありません(笑
錦糸町駅の南口には、吉野家やラーメン屋、飲み屋は多くありますが、定食屋となるとなかなか少ないので、レパートリーに入れておいて良いのではないでしょうか。


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キッチン 藤
東京都墨田区錦糸3-12-8
TEL:03-3631ー1902
錦糸町駅 南口 徒歩3分
小坊主 評価:★★★☆☆




京都展 洛中洛外図屏風@東京国立博物館(Art倶楽部)

 Art倶楽部定例鑑賞会で、東京国立博物館へ「京都展 洛中洛外図屏風」へ行ってきました。

 洛中洛外図屏風というと、狩野永徳の「洛中洛外図屏風 上杉本」が有名ですが、今回の展覧会では「洛中洛外図屏風 舟木本」にスポットをあてて、総勢7点の洛中洛外図屏風が展示されるものです。
 洛中洛外図屏風をそれぞれ比較して、鑑賞することができる魅力的な展覧会でした。
 ただ、今回のメインとされている「洛中洛外図屏風 舟木本」については全く知らないので、少しでもどんなものか知っておけないかと思っていたところ、国立博物館内にあるミュージアムシアターで生解説されていることが分かりました。
 ミュージアムシアター自体を利用したことがなかったので、良い機会なので生解説を聞きに行ってみました。
 最近、ちょくちょく話に聞く4Kシアターを大画面で見られるってことで、楽しみにして行きました。
 初のミュージアムシアターの感想ですが、解説員の方が結構な良い声で、ランチ後だったこともあって、睡魔との戦いになってしまいました・・・
 ただ、4Kシアターに映される洛中洛外図屏風は、本物の展示品と違って、色合いなども鮮やかに作られたものでした。
 細かい部分をズームアップのうえ、解説してもらえたので、展示品の概要を理解するのにとても役立ちました。見ておいて良かったです。
 ミュージアムシアターでは、生解説以外にも江戸城内の再現映像の解説などもやっているようなので、また、機会あればいろいろ見に行きたいと思います。
 4Kシアターといえば、「京都展」の展示でも「京都 龍安寺 石庭」の四季の移り変わりを高精細画像で鑑賞できるエリアがあり、4K画像の凄さを見せつけられました。
 ただ、大画面で見るには迫力も十分で、素晴らしいのですが、自宅に欲しいと思うようなモノではないですね。
 実際の「洛中洛外図屏風 舟木本」ですが、人が多すぎて間近で鑑賞できず、ミュージアムシアターで解説してもらったポイントを軽く確認する程度になってしまいました。
 他の洛中洛外図屏風では、狩野永徳の「上杉本」が国宝ということで、素晴らしかったです。
 「舟木本」も細やかな生活情景が描かれてて、登場人物のバラエティが豊かだったのですが、他の洛中洛外図屏風は、京都の観光どころをピックアップした構成になっているモノも多く、画家が何のために何を描こうとしていたのかが、比較できて興味深かったです。
 国立博物館の東洋館がリニューアルされて、今回、初めて中に入りました。
 アジア地域のそれぞれの年代でどんな地域や様式の影響があったか、作品を比べながら見ていくことが出来て、いろいろ想像を膨らませることが出来ます。
 上の古代の土偶?は、自分の陶芸でも作れそうに思えてしまうんですが、それが年代が進むと一気に完成度が高くなっていきます。

 アジア地域にスポットを当てた展示が多いので、当然ながら展示品は中国・朝鮮などのモノが多くあります。
 上の二つは、年代は忘れましたが古代中国のモノで、色合いのセンスが凄い。特に1枚目の黄色の鮮やかさには、とても驚きました。
 また、2枚目の壺にはコウモリが描かれているのですが、コウモリは中国では縁起物とは知りませんでした。
 蝙蝠の「蝠」の字が「福」に通じるということで、幸福の縁起物になるとか。
 初めて見たときは、コウモリが飛びまくりでグロテスクな印象を受けたのですが、地域が変わると幸福のイメージもいろいろだと再確認させてくれました。個人的には、コウモリを幸福の印として家に飾ったり思いつきもしないので、アジアも奥が深いです。

 アジア地域の美術といえば、ガンダーラ美術も有名ですが、東洋館でもガンダーラ美術のコーナーがあり、仏像などをじっくり鑑賞できます。
 しかし、この仏像の第一印象ですが「イケメン」の一言ですよ。
 日本の平たい顔の仏像に慣れていると、ガンダーラの仏像は彫が深くて、これが仏像?と目を疑います(笑
 地域的にギリシャ彫刻の影響を受けているため、写実性の高い仏像になるのですが、二枚目の仏像の顔など造形の美しさが際立っています。
 1枚目の仏像のちょび髭も気になるところですが、こういったガンダーラ美術が中国に入ってから、変化し日本でまた新たな造りになっていくのは、地域や歴史の流れを考える良い材料になるのでしょうね。
 時間の余裕もなかったので、全ての展示を見られなかったので、常設展だけを見て回る機会も作りたいです。
 平成館・東洋館を見て回るのに、1日かかりそうなので、ランチも合わせて楽しみながら、美術三昧の一日を過ごしてみたいものです。