スカイツリーに一番近い銭湯 タワー風呂で湯の色が変わる『薬師湯』銭湯@押上、墨田区

 銭湯巡りということで、押上の薬師湯へ行ってきました。
 外観は、大黒湯と同じように銭湯らしい姿をしています。


 薬師湯は、スカイツリー裏の道路に面してあるので、入りやすい銭湯かもしれませんね。
 昔からのお客も多いのか、とても混んでいました。
 本当に地元のお客の来る銭湯!って雰囲気で、休憩スペースでは湯上り客がカウンターでビールを飲んでました。
 ここの銭湯も日替わりの薬湯をやっていて、今回はオレンジサイダー湯でした。
 湯船の色がオレンジ色に染まっていまして、炭酸が入っているのか分からないんですが、ちょっと泡が出ている湯でした。

 他にも定番の水風呂にサウナに、泡風呂と3種類ほどの湯船があり、風呂エリアはまあまあ広かったです。

 ただ、大黒湯と比べるととにかく混んでいて、落ち着きませんでした。
 ついでに、人が多かったせいか湯舟の湯も綺麗なものではなく、正直、良い印象は受けませんでした。
 個人的には、大黒湯の方が好きです。
 スカイツリーに一番近い銭湯ということで、タワー風呂というものがあるようです。
 スカイツリーには、色によって「雅」や「粋」といった名称がついています。

 その色に合わせた色の風呂になるということなんでしょうが、成分になにをつかって色を出しているのか確かめてみたいですね!
 ただ、周辺にはまだまだ未開拓の銭湯もたくさんあるので、再訪はだいぶ先になりそうです。


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薬師湯
東京都墨田区向島3-46-5
TEL:03-3622-1545
営業時間/15~25時
休み/水曜(祝日の場合、翌日)
押上駅から、徒歩10分
小坊主 評価:★★☆☆☆




参考図書


ドラマの撮影にも使われたらしい純喫茶『ローヤル珈琲店』にてモーニングをいただく@浅草

 浅草への散歩ついでに、「ローヤル珈琲店」へ行ってみました。


 外観は見ての通り、いかにも「純喫茶!」という主張が溢れています。
 入ってみると、奥にたくさんの席があり、結構広いです。
 ただ、席は若干小さめに感じました。
 小柄な小坊主でもそう感じるので、体格のいい方には狭いかもしれません。
 店内は、ドラマの撮影でも使われているということで、外観に違わぬ純喫茶でした。
 朝、10時くらいの入店でしたが、満席に近く賑わってましたね。
 ウルサイってことはないのですが、静かな時間を愉しむという雰囲気ではありませんでした。
 地元でも有名店なんでしょうから、仕方ないかもしれませんね。

 軽い朝食もかねてということで、早速、モーニング(600円)を頼んでみます。
 モーニングセットは、珈琲・トースト・サラダ・ヨーグルトのセットです。
 食べ物はどれも、まぁ、普通の素材の組み合わせですね。
 特筆すべきものは、ありませんでした。
 肝心の珈琲については、小坊主にとってはちょっと酸味が強すぎました。
 この店で取り扱うコーヒー豆の特徴なのか、単に鮮度が劣化している豆なのかよく分からないのですが、いつもはブラック派の小坊主もミルクを入れないと、飲めませんでした。
 その筋の”通”の皆さんにとっては、良いのかもしれませんが、小坊主的には珈琲はあまり好みの味ではなかったですね。
 雰囲気が良いのに反して、ちょっと残念でした。
 しかし、浅草はこういった「純喫茶」があちこちにあり、歩いて店を探索するだけでも十分に楽しめます。
 錦糸町~押上エリアには、こういった「純喫茶」がほとんどないため、浅草エリアのこの店舗の豊富さは羨ましい限りです。
 錦糸町エリアも、スカイツリー開業から観光客も増えたことだし、こういった喫茶・カフェが増えると嬉しいんですが・・・
 観光客が増えても、近隣にまで観光客の足が向いていないようなので、まだ、時間がかかるのかもしれないですが、押上エリアには「牛島神社」はじめ「すみだ歴史文化資料館」、「向島百花園」、「白髭神社」以外にも地味な史跡があるので、もっと地味な街歩き散策でも増えてくれば、そういった休憩所も増えていくかなぁと希望を持っています(笑

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東京都台東区浅草1-39-7
定休日:無休
浅草駅から、徒歩10分
小坊主評価:★★★☆☆(店の雰囲気込み。珈琲の単品は、★★☆☆☆)




昔ながらの喫茶店でむかしながらのホットケーキをいただく『友路有(トゥモロー)』@浅草

 浅草の喫茶 友路有(トゥモロー)へ行ってみました。
 浅草のアーケード街の真ん中と、なかなか渋いところにあります。


 店内には、コンセントスペースもあり、ゆっくり出来る雰囲気があり◎です。
 本もいろいろ置いてあり、貸してくれるようです。
 本を借りたら、返さなければというので、また、再来店をシステム化する手法なのでしょうか?
 他にも、絆創膏なども貸す?とかありました。
 赤坂が本店なのかな?
 珈琲にもこだわりがあるのか、コーヒー豆の入荷先の紹介が壁に貼ってありました。
 フランチャイズでも、珈琲の入手先などには店主の裁量があるのかもしれません。
 なかなか、個性ある店のようです。
 他に居るお客が、今日は空いていると話しているのが聞こえてきたので、普段はもっと賑わっているのかもしれません。
 今日は、お客は4組程度で、静かにゆっくりした時間を過ごすことが出来ました。
 窓際に座ったので、店内からアーケード内の店舗を利用するお客や歩行者を観察しているだけで、楽しめました。
やっぱり、円安のためか外国人の旅行者が増えた印象があります。
グループや個人の旅行者もあり、ウロウロしていました。
外国人にとって、日本のアーケード街って面白いんだろうか・・・
 さて、昔ながらのホットケーキがあるというので、さっそく頼んでみました。
 ホットケーキは、本当に普通のホットケーキ(笑
これまで、ミジンコや星乃珈琲とか、ちょっと個性あるホットケーキを食べてきたので、これは本当にオーソドックスなホットケーキでした。
 正直、普通すぎて感動はありません。
 ホットケーキそのものより、昔、食べたホットケーキは確かにこんなのだったなぁと懐かしさを味わうアイテムって感じです。
 たまには、こんなホットケーキもホッとしますね。
 珈琲は、ほどよいコクがあり、穏やかな飲み味。
 珈琲豆のこだわりについて、掲示してあるくらいなので、珈琲の味には自信があるんでしょう。
 インパクトある味ではないですが、きちんと抽出した淀みのない味に感じました。
浅草巡りで、ちょっと休憩するには十分な良い店だと思います。
ホットサンドのモーニングもあるので、朝の散歩がてら来ても良いでしょうね。


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友路有(トゥモロー)
東京都台東区浅草1丁目29−3
定休日:無休
浅草駅から、徒歩10分
小坊主評価:★★★☆☆(店の雰囲気込み。ホットケーキの単品は、★★☆☆☆)



万惣フルーツパーラーの後継者?ホットケーキ『フルフル』@赤坂

 ホットケーキ巡礼ということで、赤坂に開店した「フルフル」へ行ってきました。
 こちらは、神田の万惣フルーツパーラーの職人さんが開店した店ということで、2013年5月に出来たばかりのようです。


 外観は見ての通り、とても「オサレ」
 外に小さな椅子が用意されているのは、時間帯によっては行列が出来るためのようです。
 直接、聞いたわけじゃないんですが、隣で店員さんと客が話しているのを盗み聞き・・・聞こえてきた情報ですが、14:00くらいまでは行列が出来ることが多いそうです。
 16:00頃には落ち着いているということで、自分が行ったのがちょうど16:00頃ということで、良いタイミングで入れたようですね!
 店の場所は駅から近いわけでもなく、道のりも正直、行きにくい奥まったところにあります。
 よくそんなところに出店することにしたなぁと思いましたが、マニアというか好きな人は、どこかから嗅ぎ付けてやってくるんですね。
 反対に行きにくい場所にある分、周囲の環境はとても静かでスイーツをゆったり味わうのに、良い環境と言えるかもしれません。
 それも、混雑しない時間帯に行けたからかもしれませんが・・・
 看板にあるように、フルーツもウリの一つのようです。
 万惣フルーツパーラーの系統を、引き継いでいるからでしょうね。
 今回、行ったときはモモのパフェが一押しでした。
 これも、隣での店員さんと客の会話を盗み聞きしたのですが、こういうフルーツは農家からの直接仕入れになっているのか、農家での生産しだいで終わる時期が早くなることもあるし、何時でも同じものを出せるわけではないということでした。
 どういったツテからの納品か分かりませんが、こういうところのフルーツはやたらと美味そうに感じるから不思議です。
 しかし、小坊主の目的はあくまで、ホットケーキ様!
 浮気したい気持ちを懸命にこらえて、小坊主はホットケーキとコーヒーをセットで!と元気よく、注文いたしました。
 で、こちらが出てきたホットケーキ様です。
 色、ツヤともに正しくホットケーキの王道
 シンプルながら、この出来たて感がたまりませんね。
 バターもよくある固形タイプではなく、柔らかく塗りやすいタイプのもので◎です。
 そして、秘伝の配合なのかは知らないですが、黒いシロップ
 このシロップこそ万惣系の証!って感じがします。
 では、実食に入りましょう。
 バターとシロップをたっぷり乗せて、1/4をパクッと食らいます。
 ん~、この若干の塩味が、かつて味わった系列店の味を思い出します。
 出来たてのホットケーキに、バターが良くなじむ。
 やや甘みの強いシロップが、粉を混ぜて焼いたものを絶品スイーツに変貌させます・・・美味い!
 パンケーキも好きなのですが、シロップとバターの合わせ技を味わえるホットケーキが小坊主は好きです。
 そういう意味では、この「フルフル」のホットケーキには、大満足でした。
 もったいなくてゆっくり食べようとしたのですが、あまり時間をかけてしまうとホットケーキの表面が、少しパサついてきてしまってせっかくのバター等の美味しさが半減してしまうのが、残念です。
 より長く味わおうとかセコイことを考えずに、ガッと食いつけば良かったのかもしれません。
 ただ、店の雰囲気からそんなガッツイた食べ方は出来ませんが(笑
 従来のホットケーキ以外にもフルーツやクリームを乗せたもの、またはフルーツパフェ等もいずれは味わってみたいものです。
 店の行きにくさがちょっと難点ですが、一度は味わってみて欲しいホットケーキです。


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フルフル
東京都港区赤坂2-17-52
赤坂駅・溜池山王駅から、徒歩10分
03-3583-2425

営業時間
平日 11:00-19:30
土日・祝日 11:00-18:00
定休日 月曜



いろいろと実験した三者三様の小皿を3枚@陶芸

 家で使う小皿がなかったので醤油皿として使うために、3枚の皿をつくりました。

 それぞれ、どんな風に違いをつけるかちょっと悩みましたが、写真のような感じでそれなりに分けることが出来ました。
 まず、今回、他の皿と違って一番、変化を付けたのが真中の青い皿です。
 これは、赤津貫入土に青化粧土を塗って、青い色合いを出しました。
 青化粧土を上に塗っていて絵付けは出来ないので、下の写真のように青化粧土を削って模様をつけています。
青化粧 下絵
青化粧 下絵②
青化粧 焼き上がり
青化粧 焼き上がり②

 削ったところから、下地の白い面が出て模様になっているものです。
 ちょっと削った線が細かったので、写真では分かりにくいですが、模様の柄は毬と花です。
 裏面は適当に線を入れています。
 普段、化粧土を使ったことがないので、グレーの化 粧土がここまで青く発色するということに、驚きです。
 一般的に化粧土を使う場合、赤土に白化粧を施します。
 同じように削って模様を付けたりするのですが、下地が赤いので白地に赤い線が目立って、メリハリの付いた作品になります。
 釉薬でなく土を塗っているのに、ここまで色合いが変わるというのも、面白いところで、陶芸は本当に化学変化の創作なんだなということが分かります。
化粧土のバリエーションについては、今後も実験を続けてみたいですね!
 同じ皿でも制作方法を変えることで、結果を大きく変えることが出来るというのは、陶芸の魅力です。

 二枚目は、普通に絵付けです。
 柄は適当ですが、日常的に使うものだし、シンプルなものになるよう心がけました。
 色のバランスは、まぁまぁかな。

三枚目も、普通に絵付けなのですがもっとシンプルに青呉須で、日本画みたいにしてみました。
これが教室の他の方からは、一番、人気があったそうですが、理由が遠目に見ると西洋の帆船が描かれてるように見えて、目を惹いたからだそうです。
ただ、近寄ると普通に和風なので、あらぁ~とちょっとガッカリ・・・・
こっちが、えぇー!ってそんな反応?なんて、思ったりしますが人様の感じ方はいろいろ。自分の思ってもみなかったところに、アンテナが向いていたりして、奥が深いです。
自分の作りたいものと、人の欲しがるもの・魅力的なものは一致しないというギャップ。
ま、自分の欲しいものを追及するしかないかなという思いを新たにする今日この頃です。
表面は、そのまま船ですが、裏は分かりにくいと思いますが、「海老」です。
大事なことなので繰り返しますが、「海老」です(笑
個人的には、そこそこ上手く「海老」に出来たな!と満足しています。

さて、実用的なモノを形にしようと今回は小皿に挑戦したのですが、思ったより重い皿になったのが課題です。
市販の皿と素人の手作りを比べるのも何ですが、やはり自分の更は重いんですね。
使えないことはないし、三枚目の皿など醤油皿としては、とても使ってて楽しいんですが、いろいろと欲が出てきます。
もっと、薄く軽くできれば使いやすさもアップすると思うのですが、薄くしすぎると割れてしまいそうだし、電動ろくろではなく手びねり一筋なもので、もう「自分・・・不器用なんで」って、渋く言い放ちたい誘惑に襲われます。
そう言えば、なんでも許される気がする・・・ただし、イケメンに限る!とか返されると、心、折れてしまいますが(笑

陶芸のワザ!も、心のタフネス!も、まだまだ修行中。
小坊主から、大坊主への転身を夢見て、今後も精進します!




下町の天然温泉!スカイツリーの見える『押上温泉 大黒湯』銭湯@押上、墨田区

 google mapでいろいろ見ていると、錦糸町エリアにもいくつか銭湯があることが判明!
 錦糸町-押上-曳舟あたりには、結構な数の銭湯があるようですね。
 一番、近いところにあり、そこそこ良さげだったのがこちら、「大黒湯」


 湯めぐりマップというのもあるようなので、今度、ゲットしておきます。

外観
 まずは、外観ですがなかなか小綺麗な感じです。
 渋すぎて入入りづらいとか、そんな雰囲気ではありません。
 また、人の出入りもあるので、シレッと一緒に入ってしまえば大丈夫(笑
日替わり薬湯
 薬湯もあるということで、日替わりのスケジュールが貼ってあります。
 「笹の葉」や「生レモン」とか、とても良さそうなのですが、反対に気になるのが「生トウガラシ」や「塩ミルク」・・・
 発汗が良くなったり、お肌ツルツルとかいろいろ効果あるんでしょうが、どうやってエキスを抽出するのかが疑問。
特に「塩ミルク」・・・どんなエキスが混ざっているのか。
 料金は、都内の銭湯はどこも同じようなのですが、「大人450円」。
 今回は手ぶらセット100円も利用して、550円での入浴です。
 ただ、サウナが別料金というのは、ちょっと残念でした。

 銭湯内の写真はないんですが、番台には看板娘らしい御年80超えのオネイ様がいらっしゃいました。
 休憩室も綺麗にしてあり、ソファで湯上りにジャンプとか読んでくつろげそうです。
 看板にあるスカイツリーが見える!っていうのは、男湯の天井窓からチラッと見える程度だったので、見えるのは見えるけど・・・っていう感想です(笑
 風呂は7種類あるとありますが、歩行湯があったり4パターンくらいの泡風呂があって、そこは楽しめました。
 湯温も熱すぎることもなく、ちょうど良かったです。

 肝心の日替わり薬湯は、「ラベンダー」ということでラベンダーの葉が袋に詰められて、風呂に入れてありました。
 軽くラベンダーが香ってきて、温度も少し低めなのでマッタリできる良い薬湯でした。
 少し風呂が狭いのが残念なところで、大人が二人も入れば一杯になってしまいますね。
 面白かったのは歩行湯があり、初めて見ました。
胸にかからない程度の深さのある風呂で、中で歩いたりすることを推奨してます。
 水中での体操を解説する掲示があり、ちょっとやってみましたが、湯量が微妙でバランスが取れず、怖かった(笑

 洗い場は十分な広さがあり、お客が4~5人いましたが、周りを気にすることもなく、洗うことが出来ました。
 湯桶は残念ながら、ケロリンではなかったですが。
 ケロリンを作っていた会社も倒産してしまったようなので、ケロタン湯桶を置いてある銭湯も、どんどん少なくなっていくんでしょうね。
 自分より若い人など、ケロタンって知らないんではないかと、余計なことを考えてしまいました。
 小坊主も、もう立派?な「オヤヂ」と化してしまったのだなと、ちょっと悲しくなった銭湯Dayでした。

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大黒湯
東京都墨田区横川3-12-14
TEL:03-3622-6698
営業時間/15~24時
休み/月曜(祝日の場合、翌日)
錦糸町駅から、徒歩6分
小坊主 評価:★★★☆☆





参考図書


川合玉堂「日本のふるさと、日本のこころ」展@山種美術館 展覧会レビュー

会期が2013年6月8日~2013年8月4日までなので、もう開催期間も終わりが近いのでなんですが、、展覧会レビューを書いておきたいと思います。
川合玉堂「日本のふるさと、日本のこころ」展@山種美術館

混み具合   辛 い/1・2・3・4・⑤/快適
作品の数   少ない/1・2・③・4・5/多い
面 白 さ つまらない/1・2・3・④・5/面白い

簡単に、川合玉堂の年表を確認してみました。

1873年(明治6年)  愛知県葉栗郡木曽川町に誕生。
1887年(明治20年) 14歳で、京都の望月玉泉に師事。玉舟と名乗る。
1895年(明治26年) 22歳。第4回内国勧業博覧会に「鵜飼」を出展。
同博覧会でみた、橋本雅邦の「龍虎図」に感銘を受け、
翌年に橋本雅邦に師事する。
1907年(明治40年) 34歳。東京勧業博覧会の審査員となる。同博覧会に
出展した「二日月」が一等賞を受賞。
1944年(昭和19年) 71歳。東京都多摩郡三田村町御岳に疎開する。
1957年(昭和32年) 84歳。自宅で病没。

年表を見ると、明治から昭和にかけての近代の画家で、年表には書いてませんが、昭和天皇の即位にちなんだ屏風を納めたり、皇后の絵の指導をしたりと結構はなやかな経歴の持ち主です。
20代ですでに出展作が受賞を受け、早くから認められていたようで、画家としてはとても成功された人のように思います。
山種美術館での掲示です。
山種美術館の名前は、前から知ってたんですが、実際に現地に行ったのは今回が初めてです。
小さな美術館ですが、とても落ち着いた雰囲気があり、鑑賞者も少ないのでゆったりと美術鑑賞できます。
今回は恵比寿から歩いて行ったんですが、あんなに近いとは思わなかった。
徒歩、10分程度なんですね。
もっと行きにくい場所にあると思い込んでいたので、積極的に展覧会情報をチェックしてなかったので、勿体ないことしてました。
鵜飼
こちらは、22歳で内国勧業博覧会に出展した「鵜飼」です。
玉堂は、この作品で同博覧会での三等銅賞を受けています。
岐阜、長良川での鵜飼の様子を描いたものになります。
鵜飼をしている人たちの姿も、イキイキしてて魅力的ですが、その背景の山水の表現が素晴らしいです。
長良川での景色が描かれてることになってますが、切り立った崖の表現など中国の景色を描いた山水画に見えてしまいます。
二日月
34歳の時に、東京勧業博覧会に出展された「二日月」という作品で一等賞を受賞したものです。
霞がかった水辺の空気感が、シットリとした情緒に満ちてます。
情景としては、一日の作業を終えた農夫が二日月が輝く空の下、帰路についているところです。
そう言われると、登場人物の姿にも変わらない日々の一日だけども、現実の重みを背にしょって進む生きる力を感じてしまいます。
86×140程度のそこそこの大きさのある作品ですが、見た瞬間にとても引きつけられる魅力ある作品でした。
雨後
62歳での作品で、特別、主題となるものはないように見えますが、山で見かける自然の姿をよくとらえた作品だと思います。
右上から左下に流れる渓流の様子といい、中央の樹木もシッカリした存在感があります。
その樹木につたう藤の木も細やかに描かれていて、自分が登山の時に目にする山の姿が目に浮かんできます。
春風春水
春という題目に相応しい、イキイキとした生命力を感じられる作品です。
船を操る船頭の慣れた手付きや船の動きが、絵に躍動感を与えていますし、船の上で談笑する女性たちにも明るい晴れやかさがあります。
ものすごく話が盛り上がっていそうですね(笑
山肌の樹木も春らしい生命力を発していて、見ている方もとても明るい気持ちにさせてくれます。
山雨一過
70歳の時の作品です。
70歳とは思えない清々しさに、満ちています。
題名から雨上がりの様子を描いているんだと思いますが、樹木の爽やかな緑が際立っています。
草の緑も風にたなびく感じがあり、とても軽やかな気持ちが伝わってきます。
早乙女
1945年(昭和20年)72歳の時の作品です。
この頃の玉堂は、奥多摩に疎開中で戦時中に描かれたものですが、時代を確認しないと、とても戦時中に描かれたと思えない長閑さがあります。
田植え中の女性たちにも明るさがあり、いろんな会話が飛び交いながらの作業かなと想像が膨らみます。
シンプルな画面の構成に対して、描かれる女性たちには、いろんな仕草が振り分けられていて、人間の生っぽさが引き立てられ、絵の魅力を引き立たせています。

玉堂の絵は、自然を描く技術も素晴らしいですが、ポイントポイントに配置された人間がいることで、とても親密な雰囲気を表現しています。
小さくても人間が描かれることの効果って、凄いんだなと感じます。
また、そこに描かれる人間に明るさや生命力を感じさせるものであることが、とても大切ですね。
明るさのある色合いに満ちた自然と、生きた人間の調和が静かだけれども、前向きな魅力を作品に与えています。
春風春水や早乙女を見ていると、田舎暮らしの理想像って感じがしてしまいます。

他にも魅力的な絵は、たくさんありました。
小坊主は川合玉堂という人を、今回の展覧会で始めて知りました。
日本画というと、屏風や掛軸とかばかり見てきたので、現代的な雰囲気がありつつも、自然の魅力を繊細に描き出す玉堂の作品にはとても魅力がありました。