展覧会レビュー、まさに奇想というに相応しい独自世界のある雪村展@東京藝術大学美術館、展覧会

示:雪村 奇想の誕生
鑑賞日:2017年4月
場 所:東京藝術大学美術館


・ほぼ水墨画のみの展示で色はないが、初期の仏画から山水図・人物画に花鳥図と、どれも画風豊かでバラエティに富んでいて飽きがこない
・何点かの瀟湘八景図が展示されているが、描きこみの少ないサラッとした筆致であっさり目な印象のものが多い。中でも正木美術館所蔵の瀟湘八景図巻が、シンプルながら線の表現が力強くもあり印象に残る
・狩野派や明治からの近代日本画で雪村の見直しが進んでいたことを知らず、影響のつながりを理解できてタメになった
・人物の描き方は、山水図でかなり縮小して隅に配置したり、人物をメインに描くときはど真ん中で溢れんばかりの存在感を与えるメリハリがある
・解説でも雪村の画風には、のびやかさ・自由さがあると書かれていたが、型にはまらない心象を描いた作品が多く、独自の世界がある
・人物を描くときも、上へ上へと登っていく構図がいろいろな作品に一貫していて面白い

○今回の一品(お気に入り) 騎驢図
*瀟湘八景図巻がポスターカードもなく画像もないため、2番手で気に入った騎驢図を今回の一品とする

○チラシ