2015.10月 読書録 中国は腹の底で日本をどう思っているのか、ほか

どこまでもアジアパー伝



 9月に読了した『アジアパー伝』に続く、鴨志田さんとサイバラ先生ものです。
 表現方法の構成は、同じように上がサイバラ先生のマンガ、下が鴨志田さんの文章です。
 上下の内容のつながりは更になくなっていき、マンガと文章を同時進行に読んでいくのが難しく、何度も前後に行きつ戻りつ・・・読みにくい(笑

 文章は前作にあった地を這うように生きる人の魅力がなくなり、アジア旅行記・体験記でストーリー性があるわけでもなく、面白みはありませんでした。


中国は腹の底で日本をどう思っているのか


 日本国内の報道は、日本国内向けに都合よく解釈されたものも多く中国の他国との関係や背景についての考察が抜けているものも多いというところから、中国国内から世界を見た場合について興味深い指摘がたくさんありました。

・イスラム国へウイグル自治区からの参加の傾向がみられる
AIIBによる一帯一路を進めることで、陸上を経由したテロ活動を引き込むことにもなる
・国際環境の変化の影響を受け、中国の日本への対応方針が変化している
・駐日大使館の公的発表など、いろいろな場面でシグナルを発していた
 シグナルの読み取り方、シグナルを発する意味を理解することが重要
例)日本の国民に世界大戦の罪はない ⇒ 誰に罪があるのか? A級戦犯 ⇒ 靖国参拝はけしからん
・メディアの情報の捉え方、伝え方に課題が多い
・日本の外交には、折衷点や妥結点といった出口への視点が欠けている
・中国の反日は、なくならない。貧困層が反日活動の受け皿 ⇒ 社会的な居場所となる
・幸福度を国境を越えて比較しても意味がない。国内の格差が問題であり、自分と同国内での比較が問題となる
・日本の外交・報道には、価値観に拘りすぎ、利害の視点が欠落している
 多くの外交は、利害の視点から動く

 本書で指摘の通り、安部首相が外交先で「共通の価値観に基づく~2国間関係」とか述べていますが、個人も国も価値観で動くのはすごく稀な時しかないと感じます。
 不利益を乗り越えても価値観に殉じるなんてことが、本当にあるのだろうかと思います。
 小坊主の些末な仕事経験でも、価値観を前に出してくる事例がありますが、価値観の背景をみていくと相手先との関係をこじらせないようにするとか、部署内での自分の位置を都合のよい方向に向けるためとか、多少でも実利にかかわってくるものを建前的に価値観を利用していることが多くあります。
 今年に入って報道を見ていても、中国の日本への姿勢が緩和しているように感じます。
 その背景については、中国国内の経済状況や雇用の問題、日本からの投資という点から説明する例が多いですが、米国との関係や地理的なものも絡めた戦略があるのだろうと思います。
 特に中国が推進している『一帯一路構想』ですが、日本からは印象の薄い中央アジアとの関係があるのでしょうね。
 陸続きでつながっているというのは、島国の日本とは全く違った世界観があるように思います。
 今年は南沙諸島でも米国が軍艦を派遣するなど、いろいろと動きがありました。
 日本以外の世界からの視点は、どの情報を基に見ていけばいいのか複雑で、まだまだ小坊主には分かりませんが、いろいろな本ででも新しい視点を得ていきたいものです。


道は開ける


 D・カーネギーの有名な本です。
 『人を動かす』はかなり昔に読んで、以来、D・カーネギーに縁はなかったのですが、図書館で見つけて読んでみることにしました。
 『人を動かす』と同じく、いろんな人の事例を通して分かりやすい文章で、問題への取り組み方が書かれてます。
 名著と言われる理由も、分かります。
 本書で参考になったのは、次のところです。

起きてしまったことを受け入れることこそ、不幸な結果を克服する出発点となる
『起りうる最悪の事態とは何か』と自問すること
やむをえない場合には、最悪の事態を受け入れる覚悟すること
落ち着いて最悪状態を好転するよう努力することは

問いと答えを用意する
問題点は何か?
問題の原因は何か?
いく通りの解決策があり、どんなものか?
望ましい解決案は、どれか?

 一時期、ポジティブシンキングが流行したこともありましたが、古典である本書で最悪のことを想定して受け入れる。
 対応策を具体的に考えて実行していくという指摘は、新鮮な驚きがありました。
 D・カーネギーというと、自己啓発本のはしりという印象があって、変にポジティブに考えさせるのでは?という先入観がありました。
 ポジティブシンキングが身につかなかった小坊主としては、最悪を想定して対処を具体的に考えるという方法には、とてもシックリするものがあります。
 問いと答えを用意するという方法も、仕事で何か問題があるとついアレコレと相談が多くなる小坊主には、大事な指摘となりました。
 生きていくには、悩みや葛藤はつきものですが、大体は具体化されていない悩みが多く、ただ悩むことが目的になっていることも多くあります。

 具体的に考えていくという作業を忘れ、ただ、曖昧な悩みに振り回されていることを再認識することができました。




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