2015.7月 読書録 NEMAWASHIの技術、ほか

7月の読書録です




 コンサルタントが使用する分析ツールや提案する際のツールをいろいろと解説しています。
 正直、フレームワークという言葉にピンとくるわけでもなく、分析ツールなどもあまり実用として活用できるのか、よく分かりませんでした。
 たぶん、仕事でそういう分野にかかわることもなく、理解を深めたいというモチベーションに乏しい中で読んだためと思います。
 印象に残っているのは、一時期、流行したロジカルシンキングを使ったとしても組織の根底には、『感情』がある。
 感情に地味にコツコツと働きかけていることで、人を動かしていくことができるという点です。
 ロジックに説明しているのに、なぜ、理解してくれないのか。理解できないほうが悪いのではないか?・・・自分の思いが伝わらない、意志が反映できないという時に、とかく人は自分以外の何かや誰かのせいにしたくなります。
 個人の努力で解決できることが多いわけではないですが、人に働きかけていくことを止めてはいけないのだろうということは、読み取ったつもりです。
 人は合理的なことを言い、合理的な判断をしているつもりながら、根底には自身も意識していない感情や思いがあるものなのだろうと思っています。
 自分のことを分かっているつもりで、分かっていないことがほとんどです。
 そもそも、自分が分かっていると持ち出している理由そのものが、自分に都合のよいように加工されたものであることに、本人はいつまでたっても気が付かない。
 そんなものなのでしょうね。



 語り口は結構ラフで、言いたいことをズバズバ語ってます。
 ただ、タイトルにあるような悩ましさは全く感じません。
 金融機関の待遇、アナリストや運用担当者との関係性などは、なかなか興味深くて読み物としては面白いです。
 この本にあるように普通に大学を出た新社会人が、上手く資本の上流にある大企業に就職し、何千万もの報酬を得て公的資金で救済された際にも変わらず膨大なカネを得ていたというのなら・・・リーマンショックでウォール街を占拠しようとした人たちがあれだけでたのも仕方ないのではないですかね。
 大きすぎて潰せない金融機関・・・金融システムを人質にとった脅迫みたいなものですね



 実感をもって感じる箇所もあり、なかなか興味深く読めました。
 人が集まればそこには、根回しが必ず必要になってくる。
 海外と日本の根回しで必要となる要素の違いなどは、普段、感じていたことを改めて指摘されていて、納得できました。
 日本の根回しは、助け合いでカバーしているため、人間関係を重視する、プロセス重視。
 海外の根回しは、世界の根回しは理論的で中心にロジックと利益が必要。
 ロジックというのは、あちらこちらで話題になることなので、意識の片隅にはありましたが、この『利益』という項目には、新発見の驚きがありました。
 しかし、よくビジネス雑誌などでロジカルシンキングや論理的な説明などの特集されている時がありますが、『日本人は情を論理の薄皮が覆い、欧米人は情の薄皮の中心に論理がある』という一文を読むと、そもそも向きの違う方法を取り込もうとしても、上手くいかない方が当たり前なのでは?という思いを抱きました。
 論理的な話をしているつもりでも、判断基準はそこにはなく、個人の納得感という感情を基に決定が行われているのでは、ボタンの掛け違いも甚だしいですね(笑
 自分の働く会社も、『稟議』や事前の『根回し』という文化が厳然と働いています。
 事前に各人に根回しされていることで、最終的な決定はスムーズに終わることが多いのですが、その事前準備にかかる労力は、なかなかに大変です。
 先に読んだ『フレームワークで人は動く』ではないですが、自覚ないところでの感情的な反応というモノは見えない形でいろいろと影響していることを実感するところです。





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